第19話 電車通学



 母と共に家を出て、車へ乗り込む。


 少し進んだところで停車した。そこは幼馴染の御子柴家前だ。


「たまきくんママ〜、今日もよろしくお願いしますっ!」


 元気よく乗り込んできた美月ちゃん。

 通学は車と電車とバスを乗り換えてようやく学校へ着く。


 行きの車の中では、その日の授業の予習をすることにしている。


 俺自身は小学校の学習内容について今更、振り返る必要は無い。しかし、俺と行動を共にしている美月ちゃんは家に帰ったあと勉強をする時間も体力も残ってないだろうと思い、こうして予習することにしたのだ。


 そうして二十分、車に揺られてると駅へ着いた。


「じゃあ、いってきます」

「いってきまーす」

「気をつけてねー」


 母に見送られながら駅のホームへ向かう。


 小学校に通い始めて二ヶ月ほどは学校まで車で送迎をしてもらっていたが、毎日長時間申し訳ないと思い問題なく電車を利用できると母に伝えた。


 何回か母親同伴で通学し、問題ないことがわかると俺たちは二人で共に行動することを条件に電車通学をする許可を得たのだ。


 電車の中は下り方向なこともあって通学時間帯にしては比較的空いている。


 電車の中では出来ることはほとんどないので、美月ちゃんとなるべく小声で喋ることで暇をつぶしている。


 そんなこんなで学校の最寄り駅で降り、送迎バスへ乗り込む。少しの間、バスの揺れに身を任せていると学校が見えてきた。

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