第4話 プレオープン
完成したテニスコートへ初めて訪れる日。
家から徒歩数分の距離を今生の母親と共に仲良く散歩しながら、コートへ向かう。
爺さんはどうやら現地にて、準備をしているらしい。
元々、俺への誕生日プレゼントであったテニスコート。しかし、本格仕様のテニスコートが出来るという噂が広がったのか、プロ選手やテニス協会からレンタル出来ないかと連絡があったらしい。
というのも、爺さんが俺にレンタルの是非について聞きに来たのだ。
なので、実はこれから行われるのはプレオープンの簡単なセレモニーなのである。
俺は発起人として始球式のようなものをすることになっている。
ポーンとサーブを入れる係だ。
「おおい、
爺さんはどうやら、入口で待っていたようだ。
あのさあ、ここのオーナーなんだからもっとどっしり構えてろよ……
仕方ないので、幼児モード全開で相手してやろう。
「じいじー! はやく、テニスやろー!」
「ぉおお、よし! 開会時間を早めるとするか」
「ちょっとお義父さん、そんな訳にもいかないでしょう? もう、環相手になるとすぐコレなんだから。はぁ」
相貌を崩しデレデレとしている爺さんとそれを窘める母さん。
建物の入口に入りながら、俺は今生はじめてのテニスに期待を膨らませた。
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