2024.05.05(日)

2024.05.05(日)


 5月5日。端午の節句。


 日が替って2時過ぎに覚醒。


 昨日の買い物で買っておいた粽(ちまき)と柏餅(こしあん)を食べることにした。あらかじめ彼女とも相談して、柏餅を一緒に食べることにしていた。あれば粽も、ということだったものの、やはり粽は関西圏の文化なのか、彼女の地域には置いていなかったみたい(残念)

 一年前の日本茶の葉っぱを使ってお茶を淹れる。色はもうぜんぜんグリーンではなく、灰色がかっていた。でも味はちゃんと緑茶の風味はしていたから問題はない……はず!


 去年は休みの都合で、売り場に粽を買いに行けなかった。粽はけっこうな好物で、二年ぶりに食べることができて感慨もひとしおだった。しかし二年前よりも着実に値上がりしている。3本で350円以上……。このペースだとそのうち400円も突破しそうだ。

 ともあれ、この時間は柏餅を2個と粽を1本食した。


 その後、読書の時間にする。5月5日ということで、この日が誕生日の中島敦の作品「狼疾記」を彼女が読み、同じく今日が誕生日の土方さんにちなんで、わたしは司馬さんの『新選組血風録』のつづき、「三条磧乱刃」を1章分まるまる読む。井上源三郎回。新選組の隊長にはこういう人もいたんだなと初めて知った。〈強烈な郷党閥・流儀閥の意識で新選組は動いている〉(p.376)。なるほどと感心した。

 狼疾記の読みも、彼女にとって新鮮な楽しみがあったようだった。ふだんからわたしが口にしている自身の考え方と同じものがこの作品にも記されてあって、それに出会ったことが悦びであるようだった。わたしも二十代の前半に中島敦を繰り返し読み、そうした体験によって培ってきた信念もあった。中島の作品には強い影響を受けている。いまもその影響下にあるだろうか。この土台の上に自分の行動規範は形作られているから、そのルーツともいえる中島の作品を読んで、わたしの日々口にする言葉との共通点を見出してくれる彼女の新鮮な喜びに、わたしもまたふだん得ることのない喜びをそこに見出している。


 読書のあと、柏餅・粽を食べたあとにもかかわらず、〈カルビー 堅あげポテト 塩わさび味〉を開けることにした。わさび好きを公言して憚らないわたし。わたしがDMやVCでこの商品のことをまったく口にしなかったら、彼女の方でつぎに送る荷物の中に入れようと思っていたらしい。聞けばずいぶん前から売り場にあったらしい。わたしは昨日はじめて見かけたから買ったんだけど、そうか、売り場はもっと隈なく見ないといけないなと反省させられた。わさび成分、摂取完了!


 その後、話の展開で、彼女に、手持ちの芥川全集の一部を披露することになった。第一巻の「創作」という作品をシェアする。創作という題名の創作文だけど、前情報がなければ、随筆かエッセイだろうかと思えるような仕立てだった。気になる作家の作品は、有名な作品だけでなく、全集でいろんな作品を見ることでまたちがった側面が見えてくるという利点がある。これは批評家小林秀雄が口を酸っぱくしていっていることでもあった。「全集を読みたまえ」。


 その関連で、中島敦全集の第三巻の「ノオト」「南洋日記」などもシェアした。全集ならではの魅力もちょっとだけでも伝えられたかなと感じられた。


 それからムアコックのエルリックサーガの話になって、その第一巻「メルニボネの皇子」の翻訳――旧版は安田均さん、新装版が井辻朱美さんで、その翻訳スタイルがまったく異なるからこそ、訳文を比較すると面白いよという話になった。安田さんを検索してwikipediaを拝見すると、さいきん海外の小説版ダークソウルを翻訳されたらしい。KADOKAWAから出ていたので、Amazonページに飛んでみる。彼女と話しながら、わたしも欲しくなってマケプレで購入する。と、彼女も同じロットを購入しようとしていたらしく、タッチの差でわたしのほうが早かった💦 結果、彼女は新品で購入することにしたらしい(ごめんよー)

 さきの翻訳比較の話――安田さんの旧版は、無駄がそぎ落とされていて、井辻さんの新装版は、言葉がかなり重ねられているという点で彼女と私は同意見だった。両者のいいとこどり――ベストミックスでバランスよく翻訳されたらまたちがった味わいの読み口になるんだろうなと想像も膨らんでいった。


 読書はここまでにして、すこし『Diablo3』を遊ぶ。

 トーメントⅢで、ネファレムリフトを2周。彼女と私、ともにようやくPL100を越した。


 活動はこのあたりにして眠ることに。


 昼3時起床。

 夕ごはんは、これでいいのか? なのだけど、早朝の残りの、粽2本と、柏餅(こしあん)を2個。ダメもとで、カップ麺の〈天ぷらそば〉も食した。


 食後、入浴。

 入浴後、動画を視聴しながら就寝。

 横になりながら聞いていた国産あさりの価格高騰の動画が気になった。結局、北朝鮮原産の中国産あさりを国内に入れてしばらく育てて国産として売ってきていた過去がある。いまは偽装が明るみになって、あさりはほとんどが中国産の表記で売り場に並ぶようになった。中国産は、あさり自体、海水の色々な栄養というか、よどんだものを摂取して成長するから、中国の水質汚染のことを考えると、もうこれ以上食べない方がいいように思われる。だとしたらパスタのボンゴレだったり、あさりのお味噌汁はもう食べない方がいいということになるだろうか。一年に一回か二回、ボンゴレを食べたいという時期が来るのだけど、もうやめておくべきなのかなと、動画を視聴しながら考えさせられた。


 6時半、着替えて家を出る。今夜も勤務。


 休憩時間に読んだ〈永遠の戦士エルリック③〉『暁の女王マイシュラ』(ハヤカワ文庫SF)。エルリックが船を出してくれた人足なり、宿を手配してくれた主人なりに、気前よく、ひと身代ありそうな大ぶりの宝石を渡すのを見て、ムーングラムは気が気でない。こんな調子で散財していては、路銀が底をついてしまう。ムーングラムは良くも悪くも地に足の着いた苦労人である。一方、エルリックは基本自分の悩みの中にあって悩みを悩む営みを繰り返しながら自足する存在であり、浮き世の富や名声に未練はまったくない。彼にとって宝石の一つや二つ、そこらの銅貨数枚となんら違いはないのであって、そんな彼の金銭感覚にひやひやさせられ通しのムーングラムの苦労を思うと、同情を禁じ得ない。しかしなんど読んでも面白い。

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