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For better future Part3」への応援コメント


  • 編集済

    拝読。

    ふううむ。
    話の筋書きや語り口、それに読後の何とも言えない余韻なんかは実にいいと思います。「終活」というオチは三話目くらいで見えてきましたが、十分楽しめるものでした。この手の話にありがちな「実は宇宙人に騙されていた」的なオチではなく、あくまで善意?によるものという真相も好みです。

    ただ、ここの「何故、人類は終末を迎えるのか」という部分は、ふんわりとしか描かれておらず、納得しなくはないものの明快でもないので、インパクトや説得力にはやや欠けるかな、と感じました。少子化、体力など能力の低下など「何故そうなったのか」の説明がなく「寿命だから」で済まされてしまっているのが原因だと思われます。

    例えばここを「文明を後退させ自然に帰る」という部分に起因させ、医学のない自然な平均寿命に戻り、誰も長寿や健康を望まなくなったこと。ひいては科学や文明を進歩させる気概が種のレベルで喪失していることなどを理由にすれば、無理なく同現象を導けるのでは、と。文明というか文化的な老化、みたいな。

    政治の暴君を「ボケ」とするセンスは嫌いじゃないんですが、いうて昔かそういう政治はあるわけで、年を経てそうなったと言うより宿痾というものですし。これを人類の老化現象とするのは、ちと首を捻るところがあります。「政治的進化がない」も、まあ封建時代から見れば進んでますし。「問題は残っている」と言われるとぐうの音も出ませんけどw

    そこだけ差し引いて星2としますが、この文字数でさらりと読めましたし、読み物としての評価は高いと言っておきます。なかなか楽しめました。

    作者からの返信

    コメント並びにレビュー、ありがとうございます!

    本作は総じて理屈の甘いところを雰囲気で押し通したところがありますんで、語り口や余韻をよいと言っていただけたのは素直に嬉しいです。最低限の狙いはクリアできたかな、と。

    >「実は宇宙人に騙されていた」的なオチではなく、あくまで善意?によるものという

    地球風に言えば、「協星財閥」なる巨大企業がそもそもの仕掛け役で、結果として連中は誰からも文句のつけられない形で惑星まるまる手に入れた形になったんで、善意と言えるかどうかは微妙ですね w。が、作中の会社自体は現場で(一応)良心的に振る舞う役どころですんで、財団の中では善意を相当する部署と言えるかも知れません。実際は自滅すれすれのところを一割程度生き残れるよう、巧妙に事態をコントロールして一つの星を転がしていただけだとも言えますし、ちょっと視点を変えれば「ただの偽善じゃねーか」とも突っ込めるんですが 笑。

    >「何故、人類は終末を迎えるのか」という部分は、ふんわりとしか描かれておらず、納得しなくはないものの明快でもないので、インパクトや説得力にはやや欠けるかな、と感じました。

    ですよねー。まあ徹底的に鉄壁の論理に仕上げたら(できたとして)ちょっとシャレですまないような気がして、途中で書き込みがぬるくなったというのもあるんですが、もう一つ二つ、なるほどと言わせるフレーズが出せたらなあとは思いました。

    >例えばここを「文明を後退させ自然に帰る」という部分に起因させ……ひいては科学や文明を進歩させる気概が種のレベルで喪失していることなどを理由にすれば

    んー、そういう筋の作り方もあるのだろうなとは思いますけれど、本作を書いた時にイメージした「この星のダメな部分」と照合してみるに、野生に戻る方向だとむしろ健康になるんじゃないだろうかという気がしますねー w。というか、そもそもナチュラルライフに戻りようがないぐらい状態の悪い星、というのが出発点ですんで。でも、無理やり自然回帰に向かった結果、過去に自分たちのばらまいた放置毒にやられて種として劣化が進んだ、というのなら、説得力があるのかな? ご提案の路線とはたぶん違う方向性だとは思いますが。

    >政治の暴君を「ボケ」とするセンスは嫌いじゃないんですが、……これを人類の老化現象とするのは、ちと首を捻るところがあります。

    ここは論理として整っているとはとても言えないところです 笑。「もともとあんたたちみたいなアホな種は長生きしないんだよ」などとディスってるようなもんで。生物学的な種の寿命と、社会学的な集団としての寿命を強引にくっつけようとしたところに無理があったんでしょうね。
    ただ、そういう我々の感覚(「政治家の中に、能無しや大ボケがいるのはあたりまえ。時々クリティカルエラーをやらかすのも当たり前」)は、もっと程度の高い宇宙人というものがいるのなら、まさに末期的な症状として映るのかも知れず、そういう高次からの視線――「オワってるよ、あんたたち」というツッコミ――を会話の中に取り込めるものなら取り込みたい、と思ったもので、こういう賢い人からのお説教みたいなノリになってしまいました。やはり人智を越えた知能の立場で書くのは難しいものですね……。

    私自身、ちょっと怖い気持ちもあるんですが、「その星の人たち」が真に寿命であるとばっさり斬れる強烈なフレーズを思いついたら、満を持しての完成版に修正しようと思います。……悪趣味かな、これは。

    >この文字数でさらりと読めましたし、読み物としての評価は高いと言っておきます。

    実は作者としては、語句のリズムやらテンポ感やら、なんかいつもよりでこぼこしてねえか? という印象もあるんですが、そうおっしゃっていただけるとすくわれます、はい。

    構想段階ではスラップスティックなコメディノリで全編を覆う展開も考えたものの、このオチはやっぱりしみじみした空気を醸して締めたいと思い、道中色々雰囲気が壊れそうなのをなんとか抑えて、ようやく狙い通りのカラーの、まあ近い色にはなったかな、という感じです。
    三回に渡っての的確な分析と評価のお言葉、ありがとうございます! 次は最初から星3つを狙いに行きます ^^。

  • 始まりは確かにちょっと星新一っぽかったですが、その後の展開は湾多さんっぽいと思いました。作品をずっと読ませていただいていると、そういう読書の楽しみ方もありますね。シニカルな物語でした。「終活」をコンサルする会社だなんて、私にはまったく読めませんでした。中でも「本能的な自殺行動として、出産率が落ちている」の言葉は、納得させられるようでちょっとコワい。知恵をもった人間が、種として滅んでいくのはそんなプロセスであるかもしれない、と。個人としての登場人物がいないところも、壮大な時間の一部を切り取った物語の感があってよかったです。興味深く読みました。

    作者からの返信

    コメントならびにレビュー、ありがとうございます!

    本作の着想は、町のそこらへんに落ちている非分解性のプラゴミをたまたま目にして、「こういうのって、仮にこれからすぐ人類が滅んでも残るんだよなあ」などと良識者めいた愚痴をつぶやいたことが (しかしもちろん自ら拾って回ったりはせず^^)出発点でした。文明の痕跡がほとんどなくなった後に、やがて知性を高めた新しい支配種は、この手のゴミをどう解釈するか? あるいは植民にやってきた外来星人はどう感じるか? ありのままに捉えてくれる可能性もありますけれど、やっぱり「ここの過去の支配種、なんて迷惑なやつらだったんだ」などと顔をしかめるんじゃないかなと 笑。
    特に、地球の再開発の機会を狙ってる外来者なら、「ちゃんと片付けてから滅べよ」などと考えるのではないか――と、そこで基本の筋書きができました。とはいえ、ほんとに2000字程度で語ってしまうと、突っ込みどころだらけの荒い論理になりそうで、結局長々しく語るいつもの文体に w。

    >「本能的な自殺行動として、出産率が落ちている」の言葉は、納得させられるようでちょっとコワい。

    私自身も、牽強付会のつもりで書いた"滅亡の理由"が、我ながら妙に説得力のある文章に見えてきて、これはマズいんじゃないかと思ったり。願わくば、宇宙のどこの文明でも為政者のレベルは低いものだという共通法則ができていてほしいものですが w。

    >個人としての登場人物がいないところも、壮大な時間の一部を切り取った物語の感があってよかったです。

    そこはサブテーマとしてちょっと意識したところでした。すべてのセリフを、集合名詞的な人物からのものにするという。さすがに最後のシーンでは「名前がないだけの一応は特定キャラ」になってしまった印象がありますが、思ったよりも自然な感じで書けた気がするので、この手法はこの先も使えるかな、と。

    細かいところまで目配りいただき、感謝です。いつもながらの丁寧なコメント、ありがとうございました!

  • おおー。幼年期の終わりではなく、……。
    なかなかにシニカルなラスト。それでいて星はまたこれから繁栄していくのかもという希望の——いやいやいや、絶望じゃないですかい、こんなのw

    星新一的な路線も確かにあったかもしれず、けれどそれだと湾多さんらしい持ち味は活かせなかったかもしれないなあ。この路線で正解だったんじゃないでしょうか。
    連中、一斉に手をひいたのが、まさかそんな理由だったなんて。可笑しいけど、なぜか笑えない(周りを見回しながら)。
    面白かったです!

    作者からの返信

    コメントならびにレビュー、ありがとうございます!

    全星代表が愕然としたところで、たとえば「それでみなさまの種族の"老後"の相談ですが」と"特養ホーム"待遇を提案するとか、あるいは何らかの手数料を取って他の星系へと血統をつなぐ、みたいな展開も考えたんですが、本作の論法で"その星の住民"をディスってると、逆に救いようがなくなってしまって、行き着くところまで行き着いてしまいました……。

    もちっと軽く読みやすい文章にしたかったんですが、これはこれで正解では、とおっしゃっていただけると励みになります ^^。笑うに笑えない、というのも、まさに狙っていた路線で、その点ではひとまず成功かもと。

    お読みいただき、ありがとうございました!

  • ネタバレ厳禁なので滅多なことは書けずw
    とりあえず、私が今一番言われたくない言葉は
    老害だったりします。
    そんなことを思いながら読んでいたりw

    1話、2話と先が気になるお話で
    興味津々、面白く読ませていただきました(^^)

    作者からの返信

    コメント並びにレビュー、ありがとうございます!

    たぶん読みやすくもなく、爽やかな気分にもなれない、厭世家のグチみたいな作品におつきあいいただきまして恐縮です。
    「老害」も決めワードとして出しかけたんですが、この話の流れだと、やはり地方とか木瓜とかの方が適切かと(←意図的な誤字)。

    あと、あまり深く考えずにタグに「ネタバレ注意」と入れてしまって失礼しました。一話しかない作品のコメント欄なら配慮してほしい時もありますけれども、三話構成のラストなら、さすがに確信犯的な読み飛ばし常習者しか覗きに来ないと思いますので、私のケースだと何を書かれても結構ですので ^^。

    やけっぱちな気分の発散みたいな執筆になりましたが、これだけばっさりと「終わらせて」あげると、書き手の方は結構爽快だったりします w。いささかなりともお楽しみいただけたのでしたら幸いです。