第7話
【雛視点】
お風呂も一緒。
寝るのも一緒。
見る夢も一緒。
そんな日々が、一月ほどたったころでした。
お兄様の、行動に変化が表れ始めたのは。
まるで、私の真似をするみたいに私の身体に触れてくるようになったのです。
お母様に聞いてみると、ようやく現実と夢の狭間が曖昧になってきたのだと説明されました。
むしろ今日まで正気で居られた方が凄いくらいだと褒めておられました。
お母様の言うことに間違いはありません。
あと少しで、お兄様を本当の意味で私だけのモノに出来るのだと聞いてしまえば嬉しくてたまりません。
だから、今日もとびっきりエッチな夢を見させます。
私しか見えないように――
私にしか興味を示さないように――
すると翌日お風呂場で、唇を奪われました。
もう、何度となく夢の中で繰り返してきたキスでした。
どこまでも、貪欲で飽きると言うことを知らない長い長いキス。
私は、初めて知ったのです。
これが、恋に溺れる瞬間なのだと――
本当の意味で素直なお兄様の姿なのだと――
夢の中では何度となく性欲を発散させてきたお兄様。
それが、今日からは現実でも同じことをして下さるだけの話。
あぁぁ。
なんて嬉しいのでしょう。
だって夢の中だけではなく、現実でも気を失うまで愛してもらえるのですから――
おしまい
お兄様。夢の中なら何をしたって合法なのです! 日々菜 夕 @nekoya2021
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます