第1章

―七年後―


楓は今日、誕生日だ。29歳になった。5月15日。

輝かしいモニターの前で、両手でコンビニのロゴのある封筒を持っている楓は微笑んでいる。封筒の中身を9月から引き取れることを楽しみにしていた。今朝、普通より少し早く起きて、朝食を食べて、コンビニに寄った後、駅の南口にあるタクシー乗り場で手を振ってタクシーを呼んだ。封筒を鼻まで近づけて、匂った。推しのユキ様の匂いがすることを想像して、笑った。

急に封筒をデスクに置いて、ポケットからスマートフォンを出した。

「眠いなぁ」と、隣の席に座っている中村は言う。

連絡先のリストにざっと目を通して、「馬丹♥」を押した。右手の指先でテーブルを叩いてる。左手は無意識に褐色の髪の海の中で自由に泳いでいる。

相手が電話をとった音が聞こえた瞬間、楓の身体は熱くなった。

「丹?私よ。チケットを取ったよ、やっと」とワクワクして、友達に知らせた。

前の席に座っている青森は頭を上げて、「おい、鈴木。仕事中は私用電話禁止」と大声で叱った。

「うん、うん。いえ、大丈夫。何でもない。ここはうるさいから動くね、ちょっと待ってね」と席を外した楓は青森達の視線を無視しながら、オープンスペースを出た。

「おい!鈴木!」

「諦めた方がいいね。毎日同じだし、父親が小野社長と幼馴染だし・・・」と眠そうな中村はあくびをした。

青森は口の中でぶつぶつ文句を言ったが、仕方なく仕事を続けた。

エレベーターへの透明なドアを閉めると、楓はぴょんぴょん跳ねた。

「今朝コンビニでチケットを引き取った!」

「やっとだね。私も仕事が終わったら行くつもりだ」と丹は答えた。

「恵梨香ちゃんは?」

「恵梨香はね、分からないね。2回の抽選に外れて、まだ一般販売があるけど、とりあえずお金がないって言ってた」

「お金?お金なら私が貸してあげるよ」と、ダークブルー色のネイルを見ながら、楓はため息をついた。「返さなくてもいいから」

「恵梨香ちゃんはプライド高いね。そして、最近、新しい彼女ができたらしいから、あまり可哀想だと思わないね」

「また新しい?凄いね。本当にモテるね」

「うん。でも、ユキ様がいたら、恋人要らないでしょ」

「その通りだね」

楓は今後のライブのことを思い出して、笑った。「じゃ、今回は二人きり?残念だけど、楽しみだわ!」

「楽しみすぎる!デビューから初めてのライブだね。出席しなくちゃだめだよ」

「知ってるよ。行かないわけがない」と笑いながら楓は答えた。「後1か月間。カレンダーに毎日バツを付ける」

そして、事前販売で買ったグッズについて話した。バンド全員とユキ様だけの法被、ユキ様のタオル、ユキ様のTシャツ、ユキ様のシリコンバンド、ユキ様のアクリルスタンド、ペンライト、ピンズコレクション。合計41,800円(チケット料金を含まない)。当日追加で何を買おうか。まだ公開されていない特別な商品は何だろうか。全部買うために、何時に来た方がいいかな。先日から幕張メッセの外で待った方がいいかなと話し続けた。

透明なドアの向こう側から、楓の同僚はパソコンから目を離さず話をしている。

「中村さんは?」

「来ます!大谷さん、久しぶりに会いたいですね」

「転職したからもう・・・6か月間くらいだね」と青森は言った。

「今、何をしているんでしたっけ?」

「秋葉原のハイテク専門店で働いていると思う」

「大きい?」

「いや、小さいらしい。でも、悪くないと思うよ。お客さんとの触れ合いが恋しいって言ってたね」

「なるほど。確かに、オンラインショップなら、電話とメール以外は客さんに直接話す機会がないですね」

携帯電話を切った楓は何もなかったかのように席に戻った。

「鈴木さん」と青森に呼ばれた。

微笑んだ楓は頭を上げて、青森の鋭い目と合った。

「大谷さんとの飲み会、参加しますか?」

「大谷さん?」

「同期の大谷さんよ!まさか」と中村は赤い頬で怒った。

「あ、あいつか。いや、結構です。今日は用事があります」

青森は「なんで聞いたのか」というような顔をして、ため息をついた。

「あのさ、さっきのチケットの話?」と知りたがってしまう中村は少し体を傾けて、聞いてみた。

「うん、オペラに行く」と自然に楓は嘘をついた。

うらやましそうな中村は何も言えずに、楓と異なり、仕事に戻った。

青森は視線が楓の肩の上に動いた。ゆっくりつばを飲み込んで、席を立った。まだ仕事に戻ってこない楓の机を通り過ぎて、後ろの席に向かった。

「馬鹿」と楓は思った。

「滝崎さん?」

少しだけ動く椅子の音がした。

「はい」と非常に冷たい声が聞こえた。

固まった青森は勇気を出して、聞いた。

「お忙しい中申し訳ありませんが・・・」

「はい」と滝崎は繰り返した。

「ええと、大谷さんの飲み会についてですが、彼は元会社の同期に会いたくて、滝崎さんにもご参加いただければ大変喜ぶと思い―」

「ご遠慮します」

楓はクスクス笑った。

「あ、はい。分かりました」

「仕事が忙しいのです」

「分かりました」

「来週のシステムアップデートのためのデータ、先日青森さんに17時までにお願いしましたが、届いていません」

「あ、はい。すみません。す、すぐ送ります」

「お願いします」

馬鹿な青森は謝って、静かに席に戻った。

滝崎は数年前からもう飲み会に参加していない。毎日残業。「おはようございます」、「お疲れ様です」や仕事に関する話以外は何も言わない。目が12年前と同じく、黒くて深い。ずっと変わらない滝崎のことが、皆も怖くなった。最初に噂を流した楓を信じている。楓も信用できる人だと言えないが、噂を作るまでとは思われないかもしれない。滝崎は一見真面目だけど、不可解でヤンキーっぽいところが皆に見られる。例えば、真夏でもシャツの袖が長いし、仕事以外の趣味や活動も謎だし、人前で携帯電話を出すことがないし。背も高くて、腕が強そうだ。ファイトなら、きっと勝つという不思議な雰囲気がある。ともかく、バットで同級生を殺しかけた経験のある人だ。数年間経っても、楓は忘れるわけがない。ずっと同じ職場で働いて、滝崎に対しての気持ちは怖さより不信感くらいになったが、近づくか近づきたくなることは絶対ない。

社長まで噂が流れたようだけれど、意外と影響はなかった。本人もあの居酒屋で何も聞こえなかったようにして、翌日に楓達に「おはようございます」と言った後、席に座って、仕事を始めた。7年間途切れずに楓の後ろの席に座っていて、夢中で仕事をしている。ヤンキー的な活動を隠すためだと皆は思っているけれども。

いつも後ろに座っている滝崎はどんな顔をしているだろう。今も、分からない。人生が100回あっても仕事と関係ない話で滝崎に声をかけない自信がある。現に、7年間に一度もなかった。

予想通りに断られて、そして叱られた青森は不機嫌になり、激しくマウスをクリックしている。中村も猫背になって、話を続ける気がなくなったみたいだ。同期ではない他の同僚も皆、無視している。楓は顎を手のひらにおいて、10時過ぎにやっとメールボックスを開く。

チョコカフェという文房具オンラインショップの本社では、普通の一日だった。


「後もう少しで着きます」と鷺ノ宮駅を通ったタクシーに乗っている楓はスマートフォンに向けて言う。「はい、はい」

母はいつも心配している。「タクシーで来てね」、「こんな時間に電車は危ないから」、「タクシーも早すぎたらちゃんと言ってね。最近事故が増えたから」。残業のことも心配してくれたが、楓はまた嘘をついたから。友達の丹と恵梨香と一緒に誕生日を祝いたかったので、仕事終了後の6時に新宿で会って、9時まで遊んでいた。

親の家は鷺ノ宮駅から徒歩で10分。タクシーは近所の一番大きい一戸建ての前に止まった。楓はお礼も言わずに、料金を払って、車を出た。仕事のかばんを肩にかけて、ショッピング袋を手に入れた。友達からもらったプレゼントをオシャレな伊勢丹の紙袋の中に隠した。両親にユキ様のいるシューティング・スターというバンドのアニメCDを見せないため。

楓の両親の現在の家は、楓が育った家ではなく、最近新しく買った新築住宅だ。子どもの頃、横浜に住んでいたが、楓が大学を卒業した後、親は東京に引っ越した。横浜の家が残っているが、お盆休み以外は行くことが少ない。今は都内のある3軒の家を気分によって回っている。鷺ノ宮の家は楓の新宿のマンションから近くて便利で好きだ。

家の前に、完璧に刈られた芝生がフェンスまで続いている。地中に埋まった丸いガーデンライトの光が入口まで道を描く。家の隣に、親の車が2台並んでいる。楓が石畳を踏んで、玄関前に着いた途端、ドアが開けられた。

「楓ちゃん!」と母は迎えてくれた。

「お母さん!」

喜んで、母を抱きしめた。

「おかえりなさい。」とリビングから父の声が聞こえた。

「ただいま帰りました。」

玄関を出て、ダイニングルームでテーブルに座っている父に手を振った。

「お誕生日おめでとうございます」と母が言ってくれた。

楓はハウスキーパーに上着と荷物を渡した。

「ありがとう」

「今日も仕事が忙しかったの?」

「うん、毎日頑張っていますね」

小野社長は部下の残業を確認しないタイプなので、父にバレるリスクがない。

「でも、遅いよ。お誕生日なのに」

「大丈夫ですよ。心配しないでください」と微笑んだ楓は心配性な母の肩を優しく叩いた。

「ご飯を食べた?」

「ううん、まだです」

この子煩悩の両親が大量の料理を食べさせないわけがないのを知っている楓はテーブルに大人しく座った。白いテーブルクロスの上に、皿が並んでいる。一番好きな洋食は多くて、オムレツからスパゲッティとステーキまで。全て手作りなので、いつも通り、きっと美味しい。新宿の高級レストランでわざと飲み物しか頼まなかった楓はお腹を空かせて来た。テーブルの奥で、ガラスのディッシュカバーがバースデーケーキを守っている。ハート形苺レアチーズケーキ。プレートにチョコレートで書かれた「Happy Birthday」が読める。毎年銀座の一番好きなケーキ屋さんで苺味のケーキを買ってくれる。今ガラスのディッシュカバーの下にあるケーキは私を呼んでいるみたいだ。美味しそう、本当に。幸せだ。

「いただきましょう」と父の隣の席に座った母は嬉しそうに言った。

「うん、ありがとう。いつもの通り美味しそうです。」

楓は瞼を閉じて、合掌した。

「いただきます!」と宴会を始めた。

たくさん食べられる楓は各料理の半分ぐらいを一人で食べるつもりだ。親の話を聞いているふりをして、「うん、うん。あ、そう。うーん。そうだね。」と繰り返し、舌に溶けているミディアムのステーキを味わうことに集中している。ケーキが食べられることも楽しみにしているが、他の料理もすべて完璧だ。高級レストランのレベル。親のハウスキーパーは天才だ。お金を出したら、私の家にも来てもらおうかしら。

出すお金の9割は毎月父からもらう。21歳になった時、まだお金をもらいたいなら、仕事を探せと言われて、一生懸命探した。楓の一生はあまり懸命しないけれども。

結局、父のお陰で幼馴染の小野社長のオンラインショップの東京の本社で事務員をやることになった。

「和真くんは?」

トリュフ味のスパゲッティを口に10本入れた楓は頭を上げた。

「ん?」

「和真くん、まだ一緒に仕事してるよね?」と父は聞いた。

楓は口の中にフォークを入れたまま答えた。

「ええ」

「元気にしてる?」

「まあ」

「分かるもんか」と思った。でも、必ず毎回父に聞かれている。B館の後ろの事件、信じなかったのは楓の両親だけだった。「勘違いでしょ」「和真くんはいい子よ、いい家族に育てられた」と繰り返していた。事件の後、滝崎は退学、親と一緒に引っ越しした。滝崎の父の美味しいうどん屋さんも閉店したので、楓の父は胸が凄く傷んだ。もう2度と行けないという事実を、今も認めていない。天才のハウスキーパーにうどんを作られても、「違う」といつも言っている。滝崎家のうどんは特別みたいだった。なんでそんなに美味しいと思われるのだろうか。

仕事を始めて、楓は高校時代の滝崎和真と一緒に働くことになったことがバレてしまった時、滝崎にお父さんがどこかでうどん屋さんをやっているか聞くように父に依頼された。でも、滝崎に絶対に声をかけたくない楓は「していない」と嘘をついた。本当は知らない。悪いけど、滝崎に話したくないから。接触したくないから。自分の娘の話を信じてくれなかった父はそれが理解できない。何度も何度も高校時代の滝崎和真について説明しても、変わらない。「和真くんはいい子だよ」と、いつも。

「今度こっちに誘わないか?ご両親と一緒に」

「うん」

誘わっても断られるのを知っている。頼む必要がない。「断った」と言っても嘘ではない。真実だ。父より、滝崎のことを知っている。毎日会うものだから。

スパゲッティを食べきった楓は汚いお皿をハウスキーパーに渡した。苺チーズケーキタイムになって、ワクワクして喜びすぎる。今年で29歳になる。独身のままで30歳に近づいて、悲しんだりパニックしたりする女が多いけれども、楓は違う。家庭を作る夢もないし、お金の使用制限もないし、ユキ様の顔が永遠に見られるなら満足だ。

実は誰かと付き合った経験がない。恵梨香のように、女の方が好きなわけでもない。考えたけれど、確かに恵梨香と違うことが早めに分かった。誰かと付き合うのは面倒そうだと思うだけ。イケメンに告白されても(※誰にも告白されたことはないが)、断るかもしれない。ユキ様への純粋な愛も説明したくない。また、ユキ様と一緒に過ごす時間を削りたくない。仕事で趣味を隠す必要もあるので、休日以外一日中ユキ様と一緒にいられなくて、辛い。「こんなに忙しいのに、誰かと付き合う?」と思うと確かに駄目だと思ってしまう。

バラのモチーフの可愛いデザート用のお皿をテーブルに置かれた。苺チーズケーキを食べられるのを楽しみにしている楓は微笑んでいる。ハウスキーパーはディッシュカバーを取って、ケーキを慎重にバースデーガールの前に置いておいた。1本のキャンドルに火を灯した。

嬉しすぎる楓は胸がいっぱいになった。

「楓ちゃん、今年のお願いは決めたの?」

「まだです」

家では子どもの頃から、誕生日にキャンドルの灯を吹き消すと同時に、何かを願う。

両親は突然見つめ合った。え?

少し驚いた楓は笑いながら聞いた。

「どうしましたか?私の願いがそんなに大切ですか?」

母は気まずそうで、父はイライラしているみたい。どうした、急に?何も言わなかったのに。

「29歳って、当たり前の願い事がない?」

全然分からない楓は目が丸くなった。

「いや、別に」

父はため息をついた。

「楓」

ヤバイ。

「は、はい?」

「来年は30歳になるよ。このまま一人で生きてゆくつもりか?」

「このまま・・・?」

幸せだけど。何が悪いのだろうか。

「翼は31で3人目の子どもがもう産まれるというのに」

兄の翼は兵庫県で父の会社の支社で働いている。4歳の娘と2歳の息子がいる。現在、奥さんは妊娠していて、夏に女の子を産む予定。昔から親の愛児。成績はいつも百点、野球部で東大卒の文武両道、学生にも先生にも大人気、その上身長も高くルックスもいい。26歳で結婚、翌年に長女が生まれた。支社でも5年間働いて、最初の2年間だけで係長になって、もうしばらくで室長になりそうという噂を聞いている(父から)。

一方で、楓は成績は60点ばっかり、文学部(サボり魔)で二流大学卒、誰からも嫌われていて、体も顔も普通。結婚や出産の予定は全くない。

「翼にお金を上げることもやめた。「要らない」と言ってるから」

翼はもう、父の会社のお金をもらってるんじゃない―と言えない楓は頭を下げて、震えている手の力をふり絞った。楓も父の会社で働きたかったけれども、大学のGPAが悪すぎて、「信頼できない」と言われた。真面目ではないが、プライドが高い楓には、裏切られたみたいだった。どうして翼は面接すら受けずに入社できたのか。不正だと思う。本当は楓と異なり、翼は良い社員だからかもしれないが、不正だと思う方が受け入れやすい。

本当は、自分が駄目な子だということを、あまり認めたくない。

「楓は30歳に近づいているのに、仕事で昇進したこともないし、いまだに親からもらったお金で生活してることがおかしいとは思わない?」

「わ、分からない」

泣きそうな楓はタオルで目を拭いた。燃えているキャンドルはどんどん溶けている。

「そして、なんでそんなにお金が必要なの?子どももいないのに!」

「それは・・・新宿の物価が高いからよ。し、仕事でとても頑張ってますよ!毎日残業をしてるから、料理を作る時間がなくて外食するしかない」

嘘ばっかりついている楓は本当に、残業を全然していないことを忘れかけた。

「外食?毎日?結婚したらどうするの?夫に何も食べさせないつもりか?」

「夫にご飯を作ってもらいますよ!」

夫がいたら、ご飯を作ってもらいたいと確かに思っている。

「あなた、落ち着いて」と母が父に言ってくれた。

でも、母は父と同じ考えでいることは知っている。孫2人、後もう少し3人で忙しくないのか。どうして楓も結婚して子どもを出産しないといけないことを勝手に決められたのか。

「結婚したくない」と勇気を出して楓は大声で言った。「一人で満足です」

食器が少し飛び上がるまで、父はテーブルをこぶしでドンと叩いた。キャンドルの蝋が音をたてずにケーキの上に降った。シロップのようにクリームに広がっている。

「楓」

息を殺した。

「30歳まで、婚約―いや、結婚しないと、お金を上げるのをやめる」

「え?」

「結婚式の日付はいつでも」

「ちょっと待って」

「もう決めた」

「お父さん」

答えるチャンスも与えず父は席を立って、ダイニングルームを出た。母は何も言わずに、タオルをいじくり回している。目も合ってくれない。

楓は声が出なくて、床に沈んでいるみたいだ。仕事での給料だけで今の生活が続けられるわけがない。そして、ユキ様・・・

結局ずっと食べていない苺チーズケーキに目が落ちた。お腹が痛くなって、食べる気がなくなった。30分前まで世界で一番幸せだった楓は、何も言わないで席を立って、バースデーケーキを見捨てて家を出た。

一年間で夫を見つける、か。

普通の女の子だったら、高望みしなければ何とかなるかもしれないが、皆に嫌われている楓には無理だろう。父のお金でタクシーを呼んだ楓は、明日作戦を考えようと決めた。

苺チーズケーキ、食べられなくて残念だった。

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