第4話 節電

ネズミ「やぁ、ウサギくん」


ウサギ「やぁ、ネズミくん。今日はなんの話かな?」


ネズミ「直接ちょくせつ関係かんけいないことだとおもうんだけど・・」


ウサギ「あれ、めずらしい。じゃあ今日は気軽きがるに話がけるね」


ネズミ「まぁそうだね。

でもウサギくんには理解りかいできないかもしれないな」


ウサギ「じゃあ聞くの、やめようかな」


ネズミ「節電せつでんについてなんだけど、聞く気はあるかい?」


ウサギ「うーん、かるように説明せつめいしてくれればね」


ネズミ「おれ場合ばあい大人おとな理解りかいさせるのは簡単かんたんなんだけど、幼稚園児並ようちえんじなみの君に理解りかいさせるように話すのはむずかしいんだ。

俺は高度こうど難解なんかい言葉ことば使つかうからね」


ウサギ「・・・・・・」


ネズミ「さて、レベルを下げて話すのは言葉選ことばえらびになやむな・・」


ウサギ「話す気はあるんかい。さっさと話しなよ」


ネズミ「そうあせるんじゃないよ。

あのさ、節電せつでんってずは電気でんき無駄むだ使つかわないこと。

そして要領ようりょうよく使うことなんだってさ」


ウサギ「僕が節電しようにも、僕のいるこの小学校は僕が電気でんきをつけたりしたりしているわけじゃないからね」


ネズミ「だから、君には直接関係ちょくせつかんけいないことだって言っただろ」


ウサギ「それでネズミくんは何が言いたいの?」


ネズミ「俺は君とちがって節電してるってことさ。

どうだい。えらいだろ。

俺はよるでもかりをつけずにくらいところで活動かつどうしているんだから」


ウサギ「でも何のために節電するの?」


ネズミ「こまったもんだね。

ウサギくんはそんなことも知らないのかい。

そんなことまってるじゃん。

最近さいきん電気代でんきだいすごたかくなったからさ」


ウサギ「へぇー、そんなに電気代って高くなったんだ〜」


ネズミ「君は呑気のんきでいいよな。

太郎君たろうくんがいるからもの心配しんぱいもいらないし」


ウサギ「そうだね。僕は太郎くんに感謝かんしゃしてるよ」


ネズミ「節電の秘訣ひけつはね、日が出たらきて日がしずんだらる。

これが一番いちばんだな。

もし夜起よるおきていたいなら、俺のように電気をつけないで行動こうどうする。

どうだい。

納得なっとくしたかい。ウサギくん」


ウサギ「でもそれって人間にんげんには危険きけんなことじゃないの。

人間は君みたいに夜目よめかないんだから」


ネズミ「そんなことないさ。

俺は見たんだ。くらなかで電気もつけないでひとつからないように何かをやってる人を」


ウサギ「もしかして、それって泥棒どろぼうじゃないの?」


ネズミ「・・・・」


ウサギ「ネズミくん、気まずくなったのかな。だまってかえっちゃった。

それにしてもネズミくんの言う節電せつでんって、なんかちょっと意味いみちがうような気がするんだけど・・

そもそもネズミくんは電気代でんきだいなんかはらったことないだろうに」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る