違和感

 皆さんは、日常生活でどれくらいの頻度で『違和感』を感じる事があるでしょうか?


 ちょっと前にこの『違和感』を売りにしたゲームがスマッシュヒットしました。

駅の通路を通って、異変があったら引き返すというあのゲームです。

そのゲームのヒットによって、その後似たようなゲームがいくつか発売されていて、この『違和感』を売りにしたゲームは一つのジャンルになりそうな予感があります。



 さて本題に入る前に一つ公民のおさらいをしようと思います。

国家統治に類する権力を三つに別けている、この制度を『三権分立』と習ったと思います。

ここでいう三権とは、司法、行政、立法。

司法府は裁判所、行政府は内閣、立法府は国会。


 司法は、『法を司る』ですから、法律の運営を行う場所。

行政は『まつりごとを行う』ですから、国の方針などを決める場所。

立法は『法を立てる』ですから、法律を提案する場所。

それぞれそういう意味合いがあるわけです。


 これを誰か一人に権力が集中しないように分散化した制度が『三権分立』というやつです。

 ……大丈夫ですか? 眠くなってないですか?



 さて、いよいよ本題。


 先日、Xにとあるポストが流れてきました。

それはとある国会議員のポストで、昨今話題になっている成りすましアカウントによる詐欺に自分のアカウントと瓜二つのアカウントが作られたというものです。

騙されないように気を付けてくださいとポストには書いてありました。


 これに私は強い違和感を感じたんです。


 国会議員というのは先ほどの『三権分立』の中では立法府に属する人です。

行政府に属する大臣、司法府に属する裁判官と同じような人なわけです。


 これをテレビでも有名な教授や資産家が言うならわかるんです。

いかに有名人といえど、彼らには一票を投ずる権利はあっても、それを規制する権利を何ら有していないわけですから。


 立法府に属する人という事は、法を提案できる人なわけです。

そう言う意味ではこの国の中では特別な人なわけですよ。

特別な権利を持った人だから選挙によって国民が選んでいるんです。


 その国会議員が『自分のアカウントの偽物を作られたから皆さん注意してください』ですよ?

何を言ってるんだこいつって思いませんか?


 ちょっと視点を変えてみます。

警察官の目の前で殺人事件が起こりました。

警察があの人殺人犯だから注意してくださいねと言って殺人犯を放置したら、あなたはどう思いますか?

おい公僕! 仕事しろよ! この税金泥棒が! ってなりませんか?


 政治家が持っているのは警察と同じ国家権力なんです。

一般の人には許されていない事を許されている職業の人なんです。

これってつまりは、一般の人たちの代わりにちゃんとやってもらわないといけないという事なんです。


 先ほどの例で言えば、一般の人には殺人犯を拘束する事は許可されていません。

だから一般の人の代わりに警察官にはちゃんと殺人犯を拘束してもらわないといけないんです。

それと同様に、政治家には一般の人に許されていない行為である法律を提案してもらわないといけないんです。


 最初の国会議員の例で言えば、『成りすましアカウントがあるので注意してください』とポストするのではなく、『自分も成りすましアカウントを作られ被害に遭いました。そこで、こういう事を規制する法を国会に提出しました』とポストしないといけないという事です。


 自分の選挙区の議員がこういう事をしているのを見たら、次の選挙の投票先は慎重に考えた方が良いでしょうね。

こういう税金泥棒に貴重な税金が使われないように。

まあ、実際は対抗馬の候補も同じような人だったりして、選択肢なんてあってないようなものなんですけどね……

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