第7話 オタショップにGO
私はオタである。休みの日にはアニメショップに通うのであった。このアニメ一番はお気に入りのスポットだ。
今、思い出すと、ここに有るエレベータでミチルさんが隠れオタだと判明したのだ。
今日は文芸部の面子四人でアニメ一番に来ている。エレベータが一階に着くと四人で乗り込む。このエレベータは少人数制なので流石に狭いな。三人女子だと色々気を使うが皆は頬を赤らめている。しばしの密閉空間を抜けると四階のアニメ一番に着く。
最初に行き着くのは『マジカルナース友美ちゃん』のコーナーである。
「はあ、はあ!!!」
山水美琴は原作のラノベを手に取り息が荒くなる。どれだけオタグッツに飢えているのだ。
「はい、はい、文芸部の予算で買いましょうね」
ミキティの言葉はいつもの事である。何度も言うが我文芸部はオタの巣窟なのである。
その後は個人の趣味で買い物を続ける。ミキティはBLと百合モノを同時に買う守備範囲の広さを強調し。山水美琴は独りにしてあげよう。
そして、ミチルさんは男性向けオタグッツを買うのであった。
私とアニメの趣味が合うのがミチルさんの好感度を上げるのであった。
「てへ、オタグッツ最高」
ギャルのミチルさんは微笑んでいる。私はこの幸せが永遠に続くことを願った。
帰り道、電車の車内で上機嫌のミチルさんは、私の隣に座り話しかけてくる。
「このまま、海に行こうか?」
「なに言っているのです、今からじゃ夜になりますよ」
「ケチ、今度は無いぞ」
「何故です?文芸部の面子で行きましょうよ」
その言葉を聞いたミチルさんは安心した様子で「少し寝る」と言って眠りにつく。揺れる車内で私の胸元にミチルさんの肩が入り込む。
ああああ、バカプッルな事は人目につく。
私はミチルさんを起こそうと思うが、安らかな表情で眠るミチルさんを寝かせてあげる事にした。
『カシャ』
何かカメラで撮られた様な音がしたが周りを見ても不審な人は誰もいない。
気のせいか……。
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