第5話 痛い教育実習生

 とある日の事である。教育実習生が私のクラスにやって来た。今時、教師を目指す人などに興味は無かった。


「君はクラスの陰キャラだね。お姉さんに相談したい事があれば何でも言って」


 会って数分でクラスの空気の流れを読むとは、こ奴できる。しかし、言っている事はコミ障害である。


 短期間とは言え、面倒臭いのに目を付けられた。私が距離を置こうとすると。


「私のしもべ!!!」


 これは山水美琴並の電波キャラであった。普通、教育実習生は謙虚であるはずなのに、この竹野なる女子は違っていた。


 むむ、殺気を感じる。


 ミチルさんがこちらを見ているのだ。


 不味いな……。


「クラスの上位カーストには興味は無いのですか?」

「無いわ」


 ああああ、せめて、ミチルさんのグループにも対等に扱ってくれればいいのだが。

この竹野も陰キャラで苦しんだくちか。


 その後。私は職員室に呼び出されていた。


「君かね、竹野さんにストーカー行為をした生徒は……」

「はい???」


 この教頭先生は何を言っているのだ?


「何でも、特定のグループの面倒を見ろと言って、それを拒絶すると、トイレまで付け狙ったらしいと報告が来ている」

「いや、そんな事はしていません」


 私の反論に教頭先生はキレた表情だ。確かにミチルさんのグループにも対等にと言ったがトイレまで付け狙うとはいかに。


「大学生とは言え、教職に興味を持つ方だ、恋愛は厳禁だ」

「それで、竹野先生は?」

「傷ついたと言って帰ってしまった」


 ああああああ、私が悪いのか?私が悪いのか?しかし、謝ったら負けだ。


 ここはスクールカウンセラーに相談しよう。


「私の弁護士としてスクールカウンセラーをこの話の中に入れて下さい」


 すると……教頭先生は……。


「お前もか!!!どいつもこいつも、私の仕事を増やす。もういい帰れ!!!」


 結果は無罪放免だが後味が悪い。


 これは飼い猫のチビにグチグチコースだ。やはり、猫はいいな。


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