12 原動力

 こんにちは。

 

 やっぱり外国の方が日本へ来ると、私鉄よりもJRを使う率の方が高いのだろう。

 今まであんまりJRに乗らない行動範囲だったのに、JRを通勤に使う様になってからは、外国の方をよく見かけるし、頻繁に人に現地までの行き方を聞いている場面に出くわす。


 そして、私も聞かれる側なのだけど。今日は片言の日本語を話す中国人かな?台湾かな?とりあえずアジアの家族連れのお父さんに「この電車は○○駅に行きますか?」と聞かれた。電車が到着をしてドアが開いたタイミングで、しかも、私はイヤホンをしているのになぜ私?(笑)

 

 電車の乗り降りの雑踏がうるさくて、何度も聞き返してやっと、外国訛のある○○駅を認識。すぐに判断しないと私も乗り遅れる。

 私は○○駅に多分その電車が停車をするだろうな、という事は何となく思っていたのだけど、私が降りる駅の向こうの駅だから、自信が無かった。でも、○○駅は方向もあっているし、大きな駅だから停まるはず。だから一応「行きますよ」と答え、私もそのご家族も無事に乗車。


 でもやっぱり自信が無い私は、急いで乗り換え検索で、今乗っている新快速が目的の駅に停まるのかどうかを検索。どうしても、電車のドアが閉まるまでに決着させたかった。

 検索結果はどうやら停まるようで、何個目の駅で降りればいいのかも分かったので、家族が座っているところまで行ってスマホを見せながら説明した。

 とりあえず私は、それでホッとして。


 あとでこの一件を思い出しながら、この行動は誰の為でも無く、自分の為にやっている行動なんだなぁと心底思った。

 あのまま、本当のことを知らないまま旅行者家族を乗せたまま電車を降りたら、それだけでずっと心配し続けていただろう。

 人に何かをするってこういう事なんだなぁと思うのです。


 今日もその家族に声をかけられる前の、違う電車に乗っている時に、年配の女性が大荷物をもって電車に乗って来て、一度周りを見回して、席が開いていないから、残念そうだけれどあっさりと諦めてドア付近に立とうとしていた。

 私はそれを見てしまったから、立ち上がって、女性の肩をトントンとして……すこしびっくりされてしまって。申し訳ないなぁと思いながら、席を譲った。

 その一件だって、大荷物で座りたがっているのを知っているのに、知らないフリをし続ける方が、私の心の衛生上悪いのだ。だから私はあの時に考えるよりも早く、慌てて立ち上がったのだろう。


 結局は善行というより、無関心でいられるかどうかのせめぎ合いというか……。それでも結果的にどちらもwinwinなら、みんなハッピーでそれでいい。世界ってそういう回り方をしていたら、暮らしやすいんだろうな。


 ショッピングセンターで、お手洗いに入って、床が濡れていたり、トイレットペーパーの小さな屑が落ちていたりしたら、拾って捨てるし床は拭く。それも、滑る人がいたり、物を落とす人がいたら嫌な思いをするだろうなとか思ってしまうから。


 そう言えばお手洗いで思い出しましたが、昔、学生の頃。

 映画館かなんかのお手洗いで手を洗っていたら、隣で洗っていたオバさんが「髪の毛が落ちたら拾いなさい。次使う人が嫌な思いをするでしょ」と言ってきた。確かによく見たら、洗面台に髪の毛が落ちていたのだけれど、どう考えても私では無く、前にこの場所で髪を整えた人の落として行った髪の毛だろう。

 一応「私のではないです」とは伝えたのだけれど、「あなたのじゃなくても、落ちていたら拾うのが当たり前でしょ?!」と言われた。

 まぁそうかもしれないけれど、その言い方にカチンと来ましたよね……。私は事実を言っただけで、捨てない訳では無い。それにオバさんが見つけて気になったのなら、私が落としたものだと決めつけないで自分で捨てればいいだけの話。それに、言い草が。「ごめんね、あなたじゃなかったのね」と自分の間違いを正しもしない。ああ言えばこう言うというか、減らず口というか、口論の元だ。

 こういうことは人に強要するんじゃなくて、行動を見せて人を変えるしかないのだ。教える側と教わる側の間柄がきちんとしていないと、角が立つだけ。


 だから私は現在、1人で黙々としているという話なのですが……


 躾だからするとか、褒めて欲しいからするとか、人目を気にしてする……というのも、結果は同じだから、きっかけてして良いと思うんですよ。でも、それだけでは長い目で見て続かない。人がどう思うかじゃなくて、自分がどう思うかだから。原動力はいつも自分の中にある事を認識することが大切なんだと再認識する日でした。



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