第7話 評論家って…

私は朝のニュースは見ても、ワイドショーは一切見ません。

マスコミに出てくる評論家の意見は、6割は信用できないからです。

生鮮食品の価格についても然り。やれ、今年は晴天が少なく冷夏だっただの、猛暑で生育が悪かっただと、もっともらしいことを評論家が言っていますが、そんなの理由としては下の方です。最大の理由は、生産者の高齢化で耕作地を減らしたり廃業したりして、生産量が激減しているから。耕作地の減少は、農林水産省の統計を見れば一目瞭然です。需要に対する供給が少なくなれば価格が上昇する。経済の基本です。でも、これに触れる評論家は皆無に等しい。何故か。それは、これがクローズアップされて政府に対し国民から対策を求められたら、めんどくさいから。耕作放棄地であっても先祖代々から受け継いだ土地を売りたがらない人を説得して収用したり、収入不安定な専業農家へ斡旋したり補助金を与えたり、めんどくさいことこの上ない。だから、これを問題にしたくない。

気象条件が悪いことで生産量が減っていること自体は事実なので、それをみんなが信じる。気象のせいにすれば、対策を求められてもお茶を濁すことができる。他に大きな理由が隠されていても。

様々な利害関係のもと評論家は、自分の判断基準で事実を取り上げたり、上げなかったりします。その結果、人々を誤誘導していることに気づかず。

気象条件が良くなったとしても、生鮮食品の価格は局面によっては下がることがあっても、トレンドとすれば下がらないと思います。

以前、フェイクニュースでも取り上げましたが、本当のことにほんの少し嘘を交えることで、嘘を本当のことのように見せかけることができると述べましたが、彼らはそれを平気でやります。何故やるのか。それは、彼らは自分の意見を100%正しいことだと信じているからです。

私も昔、自分は頭が良くて何でも分かった気でいた時代があったので、彼らの思考が手に取るように分かります。ですが、アインシュタインなど及びもつかない究極の天才であっても、歴史社会の趨勢や森羅万象の全てを把握することなんて、不可能です。

なのに評論家たちは、涼しい顔をしてテキトーなことを言います。この代表例が、以前取り上げた日露戦争中、戦後のマスコミです。軍部尊重政府軽視の流れを作り、それを信じた子供たちが成長して大人になり、政府の要人になったり、世論の中心になる。長くて地味な活動ほど恐ろしいものはありません。

幸い、マスコミの誤誘導に気付いた人たちが兵庫県知事選挙に行って、マスコミの間違いを正しました。ですが、マスコミの情報よりもネットの情報の方が正しいなんていうのも極論です。

「山を見るのも一方向だけでなく、様々な角度から見ないと全体像は分からない」

私の座右の銘です。

年末年始特番で政治・経済のワイドショーが放映されたりしますが、話し半分で聞くに止めるべきですね。

左派の人は右派の、右派の人は左派の意見を聞き、正しいところを見つけてみる。

それだけでも冷静になって真実が見えてきます。

それができなくて感情的になり、不幸な命の奪い合いが起きました。

2025年は、そういうことの起きない年になればいいですね。

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