続・「読み合い」って何やの?

 ゆげ様、あじさい様、コメントありがとうございました。おかげさまで、考えさせられるところ大でした。感謝です!


 前回(3話目)をupした後のことになりますが、自主企画のうちのいくつかに、カクヨム運営より「指導」が入ったようです。私の記憶をもとに、企画の概要(特定を避けるため、こちらで「創作」しました)と指導内容を振り返りたいと思います。


【筆力up! ブートキャンプ読み合い企画】

 企画参加者は、他の参加者の作品を最低5作精読し、〇月〇日までにアドバイスを含むコメントを必ずして下さい。忌憚のない意見交換を通して、さらに筆力upを!


指導内容:利用規約の「参加者同士で相互評価・ギフトの贈り合いを確約している」に抵触するので、企画内容の変更を求めます。



【ラブコメ限定★はじめての読み合い企画です!】

 読み合い企画です。企画参加者同士のお約束★読まれたら、必ず読み返しましょうね! 企画主の特権として、ボクの代表作『愛染め工房』を置きます。


    ――企画主作品URL―― 


 読んで下さった人の作品は時間がかかっても読み返して、コメントします。


 指導内容:「主催者が参加作品に無条件でおすすめレビューや応援やフォローを与える」に抵触するので、企画内容の変更を求めます。



 両方の企画に、企画主の純粋な気持ちが感じられるだけに、正直、心にちくっと来るものがありました。ただ、指導内容は妥当だと感じます。


 百花繚乱の「読み合い」企画ですが、カクヨム世界の中で、「読み合い」の定義がある程度あってもいいのでは? と感じる部分があります。もちろん、運営の定めたルールに従うことが前提です。


 私が一年間見てきた範囲での「読み合い」企画の、私の中での定義は以下の通りです。


 ・企画参加者は、他の参加者の企画参加作品を読む。


 これだけです。

 ルールが定められているのは、反応のあるなし/濃淡などを巡って参加者同士のトラブルに発展しかねないこと、また、★♥集めのための「評価」の横行を防ぐためであり、合理的なことです。




 「読み合い」企画自体は非常に意義のある企画だと感じています。私もそんなにたくさんは読めないのですが、自分がこれまで出会わなかった新しい境地の作品にいくつも出会うことができました。同様のことを感じている方は少なくないと思います。


 ただ、これも多くの人が感じていると思うのですが、「読み合い」は思ったほど「読まれ」ませんね。私もこれまでいくつかの「読み合い」企画にウチの狸どもを放り込みましたが、しばしば3桁に上る参加作品の中で、自作が読まれることは非常に、きわめて、ホンマに「まれ」でした。こちらで先に読んで、心の琴線に触れた作品にコメントをしても返事は来ますが、「読み返」されることはそれほど多くはありません。また、複数の企画主催者が、企画を立てても自分の作品のPVが伸びるとか、新規フォローがつくとかいうことはほとんどない、と言っていましたし、私も年末に初の企画を主催しましたが、同様でした。


 考えてみたら、いくつかの「読み合い」に参加したり、企画を主催したりしただけで「インフルエンサー」になれるほど、世の中は甘くないですよね。


 自主企画の主催や参加は、放置したら埋もれるばかりの自作への「導線」を確保する営みのひとつだと割り切るのがいいのかもしれません。ある人が「人は、自分の話はしたいけど、人の話は聞きたくないものだ」といみじくも語っていましたが、作品も同様なのかもしれません。


 それでも「叩けよさらば開かれん」という有名な言葉があります通り、地道な努力は着実に積み重なり、いつの日か必ずかけがえのない出会いをもたらしてくれると思います。何よりも、まだまだ自分が出会い切れていない珠玉の作品や素晴らしい書き手・読み手の方との出会いのきっかけ作りの、ほぼ唯一の手段が「自主企画」ではないでしょうか。


 思えば、これまで無縁だった定型詩や自由詩に触れるきっかけも、自主企画の「読み合い」だったような気がします。短いからさらっと読めそう、というイージーな動機でしたが、この一年で素晴らしい作品に本当にたくさん出会えました。そして……まさか、自分が短歌をひねり出すとは、一昨年までの自分からすると、マジあり得ない! 


 自主企画というツールは、大げさではなく無限の可能性を秘めていると思います。それを生かすも殺すも、利用者であるわれわれ次第だと感じるこの頃です。


 駄文お読みいただき、ありがとうございましたm(__)m

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