七不思議 1.和室の伸びる金髪少女

「確か、和室はここらへんだったような気がするけど......。」

「うぅ......寂しいよぅ......寂しいよぅ......。(優しくて悲しそうな声)」


このすごく優しくて悲しそうな声、りんちゃんだ......!!

相変わらず、悲しそうな......寂しそうな声で言ってるなぁ......。

でも、七不思議というほど怖くて恐ろしい子じゃないんだけどなぁ......。

まわりにとっては、この「 寂しいよぅ 」が怖く聞こえちゃうのかな?


「あぁ、和室のいい香り。りんちゃん、私だよ?芽雷メラだよ?」

芽雷メラちゃん?来て......くれたの?私のところに......。」


やっぱり、何度聞いても寂しそうな声。

寂しい気持ちも悲しい気持ちもすごく多くて辛いのかな?

でも、そのために私がいる。このつらい気持ちを解決させてあげなきゃ。


「うん、来たよ。りんちゃんの寂しい気持ちがなくなるようにするために。」

「そんなことしなくてもいいのに......。どうせ、私は七不思議なんだもん......。」


あ......言っちゃった。燐ちゃんに気付かれないように頑張ってたのに......。

また、言っちゃった。どうせ自分は七不思議だから信じられないんだって......。

りんちゃんが最初だった。りんちゃんには、言わせたくなかった言葉を。

もう、二度とりんちゃんにこの言葉を言わせないためにも分かってもらわなきゃ。

まわりの......七不思議のことをちゃんと、よく分かってもらうためにも。


「......りんちゃん......。寂しく......ない?ひとりで......。」

「......寂しいよぅ......?夏呉芽なごめに会いたいくらいだよ......。」


夏呉芽なごめに会いたいのか......。

じゃあ、夏呉芽なごめちゃんも寂しがってたしりんちゃんと会わせてあげようかな。


りんちゃん、夏呉芽なごめちゃんに会いに行く?」

「いいの......?夏呉芽なごめちゃんと故雅玲こがれお姉さんに会いに行きたい!」


故雅玲こがれ姉さんにも会いに行きたいんだね。私に会ったら何て言うかな......。

でも、みんなに会いたいから全員のところにどっちにしろ行くんだけど。


「七不思議順に行こうと思ってるんだけど......駄目かな?」

「別に、大丈夫だよ。みんなのところへ早く行こうよ!」


はぁ......可愛いからつい、優しくしちゃうんだよな。

でも、りんちゃんも他のみんなも優しいから大好きなんだよなぁ。

七不思議のみんなとだと、学校生活みたいに苦しくないし寂しくもないな......。

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