第4話 脳内大戦争勃発

 痛いのは、普通その部位に何らかの異常があるからです。

 

「外的刺激を受けると、全身に配置してあるセンサーが電気的信号や化学物質を経て脳の痛みを担当する場所(一次体性感覚野)に伝わって、人間は「痛み」として感じる」


 痛みのメカニズムって、こんな感じだそうです。

 ※詳しくは「痛みのメカニズム」などでググってください!


 痛みはイヤですよね。でも、この感覚が無いとケガをしても内臓に異常があっても、気づくことなく手遅れになってしまうので、「気づいて! 治して!」という体からの大事な危険信号なんです。


 ところが、線維筋痛症というのは、どこも悪くないのに痛むわけです。

 その原因は、脳の誤作動と言われています。

 大きな事故や出産、外科治療などの激しい痛みを伴う体験や、過度なストレスなどがきっかけと言われています(これは患者さんそれぞれです)。


 私の場合、一番激しい痛みを伴ったのは親知らずの抜歯(6時間頑張って抜けなかった!)でしょうか。

 ……いえ、明確には分からないけど子供の頃から発症するまでの間では、階段からころげ落ちたり、鉄棒から落ちたり、公園の巨大遊具から落ちたり、川に落ちたり、自転車から落ちたり、馬から落ちたり、人よりケガをすることが多かったことも原因かもしれません。



 幸い、体はとても頑丈なので骨折はおろかヒビ一つ入らず。

 また外傷も、すぐに血は止まるしケガの回復も早いタイプで(これらは祖父母・両親の遺伝です)、ケガは多いけどケガで苦労したことはありませんでした。


 社会人になってからは、大雑把な性格を隠して緻密な仕事をするため、気づかないうちに精神的にストレスを感じていたのかもしれません。

 振り返ると、30代に入ってからがストレスが最高潮に。

 ちょうど職場での人間関係に疲れてきた頃と、激しい痛みを感じ始めた時期が重なっています。


 線維筋痛症は、過去の痛みの記憶を参考に、勝手に「本当なら無いはずのない痛み」を作り出しているとも言われています。

 なので、異常は無いのに体が痛むということになっているという感じですね。

(この辺りの知識は本で読んだりネットやTVなどから得た知識です)


 発症をしてからは、ケガをするとケガそのものははすぐに治っても、痛みの記憶を引きずり続ける。

 自分では「痛みはもうないはず」と言い聞かせても、脳は「ううん! 痛いです!」という、脳内でよくわからない戦争が勃発しました。

 

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