第2話 線維筋痛症と診断される前
原因不明なため、体に痛みが出る度に病院へ行き、検査を受けてその結果「どこにも悪い所はありません」と言われて帰宅させられることを繰り返します。
私も例に漏れず、体各所のCTやMRIを撮って調べても、どこも悪いところはありませんでした。
医師はもちろん、両親や職場の人からも「気のせいでは?」と言われました。
線維筋痛症の人にとって「気のせいじゃないの?」という言葉は暴言に値します。
本当に体は痛いんです。
検査ではどこにも悪いところはない、それなのに体には激痛が走る。
ロキソニン、ボルタレン、カロナールなどが全く効かない。
治す手立てがない。
難病指定にもなっていない。
こんなに辛いのに誰も分かってくれない。
ドクターショッピングを重ねて、診察券と画像データがどんどん増えていく。
職場でお休みを申請して、受診、検査、結果を聞きに行くというのが、とても虚しくなる作業でした。
「原因が分からないから次の予約は無しで」と言われることがあります。
当時はもっと原因を探って欲しいと半泣きで訴えたこともありましたが、医師からしたら「だって本当にどこも悪くないんだもの」という心理だったことでしょう。
家族や同僚から言われた「どこも悪くないなら良かったじゃない」という言葉も、とても辛いものでした。
確かにデータ上は何ともないから、死ぬ心配はない。
……当時は日々「治らないなら死ねる病気になりたい」と思っていました。
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