第4話
はぁ……そういや考えてなかったけど唄の民を匿ってるせいで異世界を完全スルーとは行かなくなったな
前回の奴みたいな敵意ある何かがドアを開ける可能性があるからな
まぁ正確には唄の民もお世話ロボットも戦えなくは無いんだけど……
それはそれとして、お世話ロボットは普通に戦えるけど弱いし
唄の民は色んな言葉を使いすぎるとなんかこう……世界が直接"壊れる"らしいんだよ、だから戦力としては論外
まぁでも今日は、そこまで心配する必要もなかった
なにせドアの出現位置が良い
地下に作られた施設にドアが出現した
しかも出入り口が崩壊済みなので人が入ってくる心配がない
そして地下なので見つかる可能性が比較的低い
更に既にかなりの時間放置されてる感じだから一時的なものでもない
つまり今回は特に心配なし、って感じ
「よし!大丈夫そうだし帰……」
……なんか、魔法陣が光りだしたな?
えっこれ大丈夫な奴?本当に?大丈夫?
ってか光止まらん!強くなる一方!クッソ眩しい!
失明するぅぅぅぅぅ!!!
……あ、光が……止んだ?
いやでもなんも見えんわ、もっと光量考えろよ
「お?私もしかして召喚された〜?」
「えっ誰?」
念話じゃないから唄の民じゃない、機械音声じゃないからお世話ロボットじゃない
つまり……誰だ?
「私はハオマ!この召喚式だと帰れないし、これからよろしくゥ!」
「えっあっ、うん……」
帰れないとか色々と不穏な事を言ってるのも気になるけど俺の目も気になるマジで失明したかもしれん全然見えるようにならんのだが?
「えーっと?それで?どーやってここから出んの?ここ密室だよね?」
「あぁ、ドアがあるだろ?アレを開けるんだよ」
「オッケー!さっ、行こう!」
「すまん、ちょっと先行っててくれ」
俺は地を這ってドアに入るから
目が見えないって不便だね……
「ありゃ?もしかして……召喚者くん目が見えてない感じ?」
「あぁ、ちょっとね……」
「ふ〜ん、ねぇ、じゃあちょっとこれ飲む?」
「えっ何?」
「回復薬的なヤツだよ!コレ飲んで元気出しな〜」
おお、回復薬とか持ってたのか、もしかしてアレか?薬師的な人か?
頂きまーす!
……あ!めっちゃ美味いこれ!?
あー、なんだろう、甘さと旨さが凄い高次元で調和しててなにより癖がない
うっま、これいくらでも行けるわ
まぁでも……俺の目が一口で治るくらいの物だし貴重品だろうからそういう事は言わないけど
「それで……ハオマさん、貴方はどこから」
「どこから?って……貴方が呼び出したんじゃないの?」
いやそれは……そうなんですが……
「いや、それが……この魔法陣が勝手に呼び出しまして、出来る事なら貴方を元居た場所に返したいんですけど……」
「あはは!嬉しいけど別にいいよ?私まだもう少し君の事が知りたいから」
わぁ美人さんに言われると嬉しいな!
でも違うんですよ
「いや、でも扉を潜ると別の世界に……」
「え?いや、多分私が呼び出されたのもこことは違う別の世界だよ?」
「えっそうなんですか……?」
「うん、この世界との違いが結構あるし」
……なるほど
「それなら、このドアは毎日別の世界に繋がるのであなたが元居た世界、探しませんか?」
「いいの?ありがとー!」
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