第3話
このお手伝いロボットクソ便利だな、充電せずに尚且つ覚えも良いお手伝いロボットって完全に人間の上位互換じゃん
さて、今日もドアが勝手に開く
緑化された部屋が開かないようにしてくれるんだけどそれでも開く、怖い
「ってありゃ?誰かいる感じ?」
また?いやでも今度は結構な人数だし、なにより前回と違って全員ボロボロ
さっきまで戦ってたかのような様子だ
あちらも警戒しているようなので少し話しかけてみる
「あの、貴方がたは誰ですか?」
『我々は唄の民、帝国に追われここまで逃げてきたのです、どうかこの森に住まわせて頂けませんか?』
「いいけど……なんで喋らないの?」
眼の前に居るのに念話するのやめてもろて
『申し訳ございません、我々唄の民の声は唄った唄をこの世に呼び寄せてしまうのです、普通に話しても唄を呼ぶので話さないようにしております』
「……えっと、つまり?」
『我々が声を出すと言葉の内容が現実になります』
「あぁ……なるほど」
それで話さないのね、あとチートすぎるだろ
なんだよ話したことが現実になるって、クソ怖いわ
ーーー
あのあと色々念話を使える村長さんと話し合って
ドアとドアの間に住んで貰う事になった
それと俺の安全を祈る唄を唄われた
なんか唄の民はヤバい奴に狙われてるらしくそいつから俺だけでも生き残れるように、との事らしい
えっヤバ……まぁこっちもヤバい剣があるからなんとかなるとは思うけど
唄の民の男性は全員そいつに殺されたらしい
戦いの唄により天を裂き地を割る超人となった男性達が手も足も出なかったそうだ
へー、そんな奴が居るんだ、こわ……
バンッ!
「お〜、ここに居たのか唄の民ども、さぁ、隠れ場所もバレた事だし、俺に唄を捧げてもらおうか」
えっ、もしかしてこいつさっき話に出てたヤバイ奴なんじゃ……
ヒュンッ!!!
うおっ!?なんか剣が飛んでいった
「なっ!?……俺の障壁を切った?なるほど、貴様は中々強いらしい、だが遅い!奴らは守れ……」
剣が勝手に戦ってるだけで俺じゃないです
だから俺を睨みながら言われても……ねぇ?
キンッ!
あ、別の剣がすっ飛んでいって……弾かれた!?
何に!?えっもしかしてあそこで剣がビュンビュンしてるのは"見えない何か"を切ってるの!?
「……なるほど、攻撃できるのがその剣だけ、という事か、だがたかが二本で私の攻撃から守りきれるかな?」
他の剣は動かない、もしかして相性悪いのかな?
「む?ふむ……なるほど、この場所もまた罠という事か、中々考えたな」
うおお……蔦が縦横無尽に動いてあいつを襲ったり視界を塞いだり唄の民達を助けたりしてる
お前らに意思があるのは気づいてたけどこんな事も出来たのかすげぇな
まぁダメージは入ってないっぽいけど
えっこれどうすんの?千日手?
ーーー
マジで千日手じゃん、ここ数十分変化ないぞ、俺も退屈だしスマホいじってるぞ?
「ふん!そろそろ終わりに……なぁっ!?」
あっなんかめっちゃびっくりしてる、何かあったな
じゃあそろそろ終……
「クソっ!これが目的か!やめっ……ああああああああああ!!!!」
えっ?なんか状況が動くの早くない?
さっきまでの千日手はどうしたの?
ってなんかアイツ串刺しにされて死んでる!?いつの間に……それよりも何故急に倒せたの……?
えっなにそのキラキラした目線は
『おお、森の主様、その大いなる力を振るい、我々を助けて頂きありがとうございます』
えっ……
いや違うよ!?俺倒してないよ!?倒したのは剣!俺じゃないだからね!?
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