第43話 瑞獣の務め
昼食後、「それでは参るとするかのう」と
「
「決まっておろう。えるば殿、反乱者の下ぞ」
「安孫、悠長に構えておっても、現状は何一つ変わらぬのだ。ならば一層、
主の決断に、ぐっと安孫が拳を固めた。
「まさか、この期に及んで逃げ腰ではございますまいなぁ? 左様に否定ばかりされておいででは、春日八幡神の御名が泣きまするぞ?」
「水影殿、貴殿は優れた知恵でもって、主を導く
「優れておるか
ぐっと対峙する二人の臣下。そこに赤いシルクドレス姿のルーアンが入ってきた。只ならぬ雰囲気に、「どうしたの?」と朱鷺に訊ねた。
「なに、
「……
そう言って、安孫が自室へと向かった。自室の机の引き出しを開け、そこにしまい込まれていたドベルト銃を手に取った。一度ゆっくりと呼吸し、覚悟を決めた安孫は、動きやすいシャツの上に金茶の
「すまんな。そなたは連れて
そう言い聞かせるように、白兎を寝所に置いた。覚悟を背に自室を後にした主を、白兎は鼻をヒクつかせながら見ていた。
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