第67話 閑話 小話 シェラのボヤキ


 今日のルチィは一段と美しい。獣人国の式典服まで着こなすなんて! 何でも似合うな。我の番

 しかし、式典服は身体のラインを強調するので、余り見せたくない。

 我だけが見れたら良いのに。


 ずっとルチィの側にいたいのに、竜王と言う立場ゆえに挨拶はしないといけない。

 本当は番のルチィも連れて挨拶するのだが、可愛いルチィを他の者に見せるものか!

 ルチィは壁の端の目立たない席に座らせて、美味しそうな食べ物を沢山持って来させる。よし完璧だ。

 チラリと確認すると、美味しいそうに食べておる。……可愛い。

 我が挨拶周りしておる間は、此処で大人しくおるのだぞ。

 はぁ……挨拶などサッサと済ませて可愛いルチィの所に戻りたい。


 『なっ!?』


 何が起こったのだ??

 挨拶周りを適当に終わらせて戻ると。

 ルチィが……ルチィが……頬を真っ赤にして潤んだ目で我を見てくる。

 何だこれは? 可愛い過ぎて苦しい。


『酒!?』


 話を聞くとどうやら、ミミィ殿がお酒を飲ませたと言う。


 酔っ払っておるのか?

 いつもと違うルチィにドキドキする。

 ルチィよ……我をどーする気なのだ。


 潤んだ瞳で我に椅子に座れと言う。 なぜそんな事を要求するのだ? 酔っているルチィの考えが分からぬ。

 言われるがままに座ると。


 ——はう!?


 ルチィの胸が! 我の顔に!?

 何と柔らかい。


 ……そうか我は天国に行くのか。


 もうこのままずっといたい。

 胸で息が出来なくても良い。

 ルチィの甘い匂いで頭がクラクラする。


 嗚呼っ‼︎

 愛しいルチィの胸が離れてしもうた。

 もう少し味わいたかったのに。 

 我がもっとアピールとやらをしたら良かったのかの?



 何と!

 このギューはミミィ殿のアドバイスなのか!

 ミミィ殿グッジョブなのだ。


 しかしルチィがお酒を飲むのは危険だな。

 またギューッはして欲しい。

 切に切に……! 

 でも次回からは二人っきりの時が良いな。


 嗚呼! ルチィが愛おしすぎて胸が苦しい。

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