訓練の始まり
スーツに着替える。みんな個性があって面白い。やはり、地梁さんはピシッと着こなしているし、眞澤はだらしなかったが、かえってお洒落にも見えた。師匠は言う。「この三枚の封筒から選びな。そこには場所とこれから訓練してくれる先生の名前が書いてあるから。そこに行きなさい」俺たちは残り物には福があると最後の封筒をとった。「場所は東京都千代田区千代田1−1。先生は二之湯 音」名前からしてまだ若い気がしてならない。ここからどれくらいなのだろうかと調べるとその住所は皇居を指していた。「まじかぁ」地梁さんは「皇居行ってみたかったんすよ」とはしゃいでいる。俺たちはタクシーを捕まえてとりあえず皇居に付いた。「ここって桜田門じゃぁないっすかぁ」地梁さんの反応は面白かった。「あぁ井伊直弼が暗殺された?」そうですと頷く彼はいつの間にか観光のようになっていた。坂下門まで来ると俺たちの服装も相まって観光客が宮内庁じゃないかと俺たちを見るようになった。「君たちですか」声を掛けられた。後ろを見ると宮司が着ているような服に身を包んでいる。「自分は二之湯と申しますー」30代くらいだろう。「あぁ、東京都超自然的事象局非科学的生物討伐特殊課から参りました。立花と申します。この人が部下の地梁です」一通り挨拶を終えると二之湯さんは俺たちを案内した。
懐古録 四季式部 @sikisikibu
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