見えない犯人

俺は最後にと質問をした。「こういう事件ってよくあるんですか?妖怪だと思って戦っていたら呪いだった的な」すると馬堀さんは目を開いてこっちを見た。「あぁ、稀にあるんですが、今回みたいに28人が死亡でほぼ壊滅的になってしまったって事件はねぇですわ。私らねぇこの事象局の中に犯人がいるんじゃあねぇかって疑ってるんですわ」つまり、今回の事件は妖怪が呪いを使ったという特例ではなく、この事象局の人がデモを起こし、呪いを放ったと踏んでいるそうだ。「こいつかもしれないっすよ。なんで言ったんすか」声を荒げる雪村に「失礼だろう」と一括した。「すまないこいつは青二才なんだ」という馬堀さんはニコッと笑った。「ほんで、君はもう辞めるんか」という彼に「いいえ」を突き立てその日が終わった。「でもなんで、立花さんにあの話をしたんですか?僕なら彼が犯人かもと思ってしまいます」「君はまだ青二才だね。彼の目をよく見ていたかい。立花さんは何かを隠そうとか、悪意何てなんにもなかったんだ」僕は知らなかった。もうすこし、疑うのではなく目を見て信じてみようと思った。「信じてます。立花さん」病院の外に出ると外は逢魔が時であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る