小箱取り

後ろで叫びが聞こえる。「呪術は俺たち特殊課以外は出てってくれ。あと人物四課と三課の課長は来てくれ」そう言いもう一度仏さんを見る。横には椅子が倒れている。まだ昼というのに薄暗い。カーテンの隙間から少し差し込む光が怖さを強くする。天井から縄が伸びている。大きな木箱を抱えながら上を向く顔は長い首の先にあった。下には何かの液体とハエの大群があった。「やっぱ人物課のほんとに強い奴だけ来てくれない。あとかみっち駒崎倒れちゃったから連れってて医療班のとこで見てもらって」とお願いをし、木箱に向かう。「ひぇーめっちゃ重いなぁここ」そういう彼は人物四課の香川である。俺はそんな声よりも木箱に夢中だった。空を指で切る。そして木箱を取ろうとした。どんと強い衝撃が背中に付いた。「海月ぇだいじょぶか」俺の元に香川が駆け寄ってきた。どうやら俺は倒れたようだ。「この仏さんやっぱり呪縛霊になっちまってる」そういうと刹那。彼、は木箱を押した。腐敗した体を木箱が射抜く。コトリと木箱が落ちた。瞬間バタリと体が落ちた。「岸、警察ぅ連絡しろ」といい、俺に後の爆弾はヨロピクと出て行ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る