紙に負けるもの

もはや神であった。12体の彼らはお辞儀をし、だるま落としをめがけて駆け出した。「十二神将か」そういう坊主の男性は東京非科学的信仰特殊課の課長、草川東二である。俺の足に何かが当たる。俺の描いた奴だ。怯えているのか震えている。普通お前が行くんじゃないかと少し笑えた。「あんたらも行ってこい」そう言いまた紙を叩く。「ありゃ、オリンポス十二神ですかぁ」田所さんも驚いている。「これならいける俺たちも」と田所さんの弟子たちや鈴木さん、見澤さんなども準備を始めた。「いってこいやあぁあああ」そう言うと、見澤さんが粘土で作った土偶のような奴らがだるま落としに向かう。湯崎さんも「たこ焼き行ってきてぇ」と自分で描いた蛸のような奴を放った。「『ぬ』行ってこい」先輩も変な生き物を向かわせる。やっぱり先輩は名前つけるのが下手だなと客観的に見ていた。「カン」と音が鳴り、一体やられてしまった。「東京都超自然的事象局、非科学的信仰特殊課ぁ~俺らも行くぞぉ」そう言い草川は「志村、廿楽儀、柊、湯楽、安西、久保、氷川、白倉、天田、宗意俺ぇ弱くてすまねぇ。一人じゃなんにもできねぇから力を貸してくれ」そう言い走り出す。「うぉぉぉおおおお」俺も気づくと駆け出していた。いやみんな駆け出していたんだ。「かん」誰かがだるま落としを蹴り上げた。

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