開始

あれから1時間が経とうとしていた。俺と先輩はテレビに釘付けで見ている。「速報」というアナウンスが流れアナウンスが読み上げる。「ただいま6人発見され、4人以外死亡が確認されました。2人は意識不明の重体です。身元は分かっています」そう言い死者の名前を読み続けた。俺たちは祈っていた。祈るしかなかった。この家に住む木崎豊(37)見崎雫(22)沼田紳助(29)佐々利傳治(53)この4名です。俺たちが不謹慎ながらにホッとした直後それは起きた。「意識不明の重体であった二人も死亡が確認されました」そう言い読み上げる。三室大我(21)八幡真司(17)俺たちは言葉を失った。「また、今回の事件は八幡真司さんによるテロとして捜査を進めています」と締めくくった。なんだこれ、こんなことあるのかと血の気が引いていく。「俺やっぱこの仕事向いてないっす」と言おうとしたが、師匠が今すぐ車に乗れと言いあの場所に向かった。「岩戸は知ってるかもしれないが、ああやって課長なんかのテロと報道された時は非科学的な何かのせいだ。とりあえず向かうぞ」と師匠がビールを煽る。先輩は昨日より泣いていた。そりゃそうだ。元彼と言っても一度好きになった相手だ。俺は昨日より気持ちを込めて背中を摩った。

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