家に着いた。深夜一時を回っていたが、まだ師匠は書類に追われていた。「そうえばユウくん今日のお金」と茶封筒を渡された。「えっその日払いなんすか」と訊く俺に師匠は「いやこういう以来の時だけ即日払いなんだよ。だからこれとは別に毎月給料があるよ」と笑う。「まぁ新人の初仕事だからやってくうちにもっと稼げるようになるよ」と師匠は書類に判子を押した。お風呂にも入り、自分の部屋で茶封筒を開けた。福沢諭吉と目が合った。「福沢7枚と樋口1枚野口は4枚だー」7万9千円に喜ぶ俺はルンルンのまま就寝した。よく朝先輩が自慢してきた。「見てー私24万3千円だったー。初めて20万超えた-」俺はなんでこんなにもらえるのかと聞く。「そりゃー死ぬかもしんないし。だってほら私たち特殊課じゃん」先輩は言う。一課に入る奴はお金目当てか、非科学的な何かを殺したいやつか、物好きだと。二課に入れる人は東大に入れる逸材だと。三課は司法試験に合格するようなものだと。四課は科挙に余裕で受かるような人たちだと。そして俺たち特殊課は入れなくて当然だと。才能、運命、実力、この三つが綺麗に重なった時ここに入れるのだと。

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