退治の正体

左手でビールを開け頭からかぶった。その瞬間横に三日月宗近を振りかざす。金属がぶつかる音がし、風の影響で蝋燭の火が2つ消えかけまたついた。だが、真ん中の蝋燭の火はびくともしない。続けて師匠が三日月宗近で蝋燭めがけて突いた。蝋燭を突き破る。なぜか青色の液体も周りに飛び散った。俺の右目にも入ってしまった。痛ってーと目をつぶる。「ギンギンギン」という金属同士をぶつける音と動物の鳴き声が混ざったような鳴き声が響いた。慌てて目を開けた。人? 170㎝ほどの生き物が師匠と戦っている。カマキリのような手、鶏の脚のような足。体は黒い髪の毛で覆われている。頭までだ。だが、口があるべき場所は大きな立ちばさみがあった。眼球は腫れあがり今にも割れそうな風船そのものだった。なんだこいつ。俺は太鼓を叩き続ける先輩を見る。先輩と呼んだ瞬間。「キーン」「次喋ったら私が殺す」と目の前にナイフを構えた先輩がいた。下を見ると太い針が落ちていた。「ちっ気づかれた」先輩はそれを睨んだ。太鼓の音は大きくなっていく。

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