仕事の真相

血潮が壁やキャットタワーを染め、周りには毛や頭の残骸が落ちていた。確かに首から上が噛み千切られていた。「これぁひでーな」師匠も目を向けられないのか、すぐに写真をしまった。やはり上と下に歯がついている動物だろう。そして10cm以上口が開く動物だ。猫の頭と言っても9㎝ほどある。なんの妖怪かと呟いて師匠は茶色くなった冊子を開いた。今日のにちゃんで見たような絵と文字がある。なんだこれは。俺は何の仕事してんだ。師匠と木崎さんで話している。その様子を尻目に猫と戯れる先輩に聞く。「俺何の仕事してんすか」はーとため息をつき「君はバカなの」と睨まれた。続けて「猫ちゃんAこの子頭悪いにゃんね」と言う。猫に何て名前つけてんだこの人と思いつつ再度訊くと先輩は教えてくれた。「私たちは宗教法人の一つとして東京都超自然的事象局の非科学的生物駆除特殊課で仕事をしてるんだよ」ねー猫ちゃんDと肉球を触る。つづけて「東京都超自然的事象局っていうのは他にも非科学的事件解決特殊課や非科学的呪術対策特殊課なんかがあるんだにゃー」と笑った。超自然的事象局というのは日本では全国に47局あり、北は北海道超自然的事象から南は沖縄県超自然的事象とある。そして非科学的○○課というのは地域によって違うそうだ。北海道には非科学的コロポックル保護特殊課や沖縄には非科学的キジムナー保護特殊課がある。そして特殊課以外にも1から4課そして特殊課の5つがあり、数が大きいほど優秀な奴が集まるそうだ。先輩曰く特殊課は問題児過ぎるやつが集められる。師匠は非科学的生物駆除の部長をしているとともに東京超自然的事象局の局長でもあるそうだ。俺は問題児かよと少し萎えた。

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