第3話 好きなだけHしてね♪
入学式が終わった後、ボクは
メニューは焼き肉のタレで焼いたお肉とキャベツの千切り・具だくさんの味噌汁・麦ごはんの3点になる。
千佳はボクと向かい合って、千尋さんはボクの隣で食べている状況だ。
「お口に合ってるかしら? はーちゃん?」
千尋さんが微笑みながら訊いてきた。
「はい、とてもおいしいです!」
「良かったわ~。はーちゃん達を思ってお肉にしたのよ♪」
達? ボクと千佳の事だよね?
「やっぱお肉食べると元気出るわ~!」
千佳が満足気に言っているし、そういう意味だよね。
「お昼食べ終わったら、2人に大切な話があるから覚えておいてね」
「わかりました」
千尋さんがボク達に話? 内容の見当がつかない。
すぐに千佳の顔色を伺ったけど、彼女は特に反応しない。事前に聞いてたかな?
……彼女のほうを見ると、どうしても透けブラが気になってしまう。白Tシャツの下に目立つブラをしているからだ。頑張って見ないようにしないと!
お昼を食べ終わったボク達3人。千尋さんが話す以上、ボクは向かい合ったほうが良いよね。彼女が食器洗いしてる間に、千佳の隣に移動した。
「千佳。千尋さんの話の内容わかる?」
当の本人に聞かれないよう、念のため小声で話す。
「もちろんわかってるわよ。ついにこの時が来たって感じ」
彼女はテンション高めだ。悪い話じゃなさそうだけど…。
「この時って何?」
「高校生になった今日がこの時なの」
「ふ~ん」
今までとどう変わるんだろう? ボクにはサッパリだよ。
食器洗いを終わらせた千尋さんがダイニングテーブルに戻ってきた。彼女はボク達と向かい合って座る。
「今から2人にHな話をするわ♪ 大切な事だからね♪」
「えっ? 何でですか?」
「高校生になったからよ♪ 今までのHよりレベルは上がるはずだから♪」
ちょっと待って! ボクが千佳とキスしたり服の上から胸やあそこを触り合ったことを千尋さんは知っている? 部屋で2人きりの時にしたのに…。
「
「どうして言ったの?」
怒るどうこうより、理由が気になる。
「はーちゃんにはわからないかもしれないけど、女の子の体はデリケートなの♪ だからわたしが色々訊いたのよ♪」
「アタシがうっかり口を滑らせたのもあるけどね」
経緯はどうあれ、知られたくない事を知られてしまった。千尋さんにどう思われるか…。
「はーちゃん、そんな怯えた顔しないの♪ わたしは責めるどころか、ちーちゃんとどんどんHしてほしいんだから♪」
それ、親が言う事じゃないよね?
「はーちゃんとちーちゃんは強い絆で結ばれているわ♪ もしそこに体の関係も加われば…」
「“向かうところ敵なし”なのよ!」
千佳の例えは間違ってるけど、言いたい事は大体わかる。
「はーちゃん、赤ちゃんの作り方わかる?」
「一応わかりますけど…」
「その一線を越えなければ、2人のHを止める事はしないわ♪」
どこまで本気なんだろう? 判断に迷うところだよ。
「こういう話は一般的にタブーにされてるからね。
明美さんというのはボクの母さんの事だ。父さんは
「母さんがアタシ達にこういう話をするまで、Hの内容は制限されていたの。でも今日から思う存分、創を誘惑できるって訳♡」
「誘惑? まさか…」
「透けブラ、気付いてたんでしょ? これわざとだから♡」
「さっきのお肉で、はーちゃんとお〇ん〇んは元気になったはず♪ 今から頑張っても良いわよ♪」
“達”ってそういう意味だったのか! 2人の筋書き通りだったんだね…。
「創~、相手してよ~♡」
千佳が甘えてくるけど、本当に手を出して良いのかな? と思った時、玄関で彼女に言われた事を思い出した。
>>「創のその優しさは、長所だけど短所でもあるわね」
気遣う事が逆効果になるなら、あの一線を越えない程度に手を出そう。それが千佳の望みなんだから。
「わかった。相手するよ」
「早くアタシの部屋でヤろ♡」
千佳はすぐ立ち上がり、ボクを急かす。
「楽しんでね~♪」
千尋さんはリビングを出るボク達に、軽く手を振るのだった。
千佳に腕を引っ張られながら、彼女の部屋に入るボク。そしてすぐベッドに押し倒される。
「あの一線は最後の最後だから、ほとんど何でもできちゃう♡」
千佳の目は、獲物を狙う肉食動物そのものだ。さっきのお肉は彼女も元気にしたようだ。
「創も好きなようにアタシを襲って♡」
タガが外れた彼女を見ていると、ボクのタガもすぐ外れるな。
そして…、ボク達はベッドの上でたくさんのプレイをしたのだった。
「もう夕方ね…」
落ち着いた後、スマホの時計を観た千佳がつぶやく。
「そうだね」
夕日が差し込んでるから、時計を見なくてもある程度予想できる。
「明日から授業あるし、程々にしないと」
学生の本分は勉強だ。千佳もわかっているみたい。
「…いつ言おうか悩んでたけど、今言うわ」
彼女は何を言う気なんだろう?
「明日の創の弁当は、アタシが作るから!」
「えっ?」
あまりにも予想外の内容に言葉が出ない。
「火・木はアタシが作るつもりなの。今日は月曜だし…」
「気持ちは嬉しいけど、千佳に負担はかけられないよ」
ボクは料理できないから、お返しする事ができない。
「無理な時は母さんに頼むから。それにこの話もおばさんに話してあるって」
「千佳。いくら幼馴染で付き合ってるからといって、どうしてここまでしてくれるの? 僕は全然お礼できてないのに…」
「好きな人のためだからよ。アタシはお礼とか見返りなんて求めてないから!」
千佳はボクにはもったいない人だ。この嬉しさを伝えたいのに、言葉が上手く出てこない。だったら…。
ボクは千佳の唇を奪いながら、ベッドに押し倒す。
「またやるの? いくらアタシでも疲れてるわよ…」
「大丈夫。キスだけだから」
「なら良いけど♡」
ボク達は時間を気にせず、気が済むまでキスを続行させる。
【コンコン】
千佳の部屋の扉がノックされた。返事したいけどキスし続けたいから放置だ。
「2人とも、寝てるのかしら?」
千尋さんの声が聞こえた後、扉が少し開けられる。…彼女に現場を見られてしまった。
「まだやってたの? 若い子は凄いわね~♪」
千尋さんに見られた恥ずかしさにより、ボクは千佳とのキスを止める。
「はーちゃん、さすがに帰らないと明美さんに怒られるわよ?」
外は薄暗いを通り越して暗い。長居し過ぎたか。
「そうですね、すぐ帰ります!」
「見送るわ」
千佳が体を起こす。
玄関まで見送りに来てくれた千佳と千尋さん。帰るのが惜しいよ。
「はーちゃん、わたしが言った事忘れないでね♪」
「わかってますよ」
絶対あの一線は超えてはいけないな。
「それじゃ創。また後でね」
ボクと千佳の部屋は共に2階にあるんだけど、ベランダが向き合ってるので顔を会わせる事ができたりする。
「うん。…お邪魔しました~」
「また来てね♪」
ボクは千佳の家を出て、急ぎ足で帰宅するのだった。
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