第3話 鬼頭翔太の場合【解答編】

 俺はが犯人であると突き止めました。


 鬼頭くんは寝ている間に何に憑依していたのか。それはあなたのだったのです。時間と空間を越えて、あなたのスマホに宿っていたのです。なのにあなたは彼をタップして圧殺してしまった。


 何ですか? 「自分がやったという証拠はないはずだ」って?


 たしかにそうですね。例えばその辺の石ころに憑依していて、別の誰かが拾って潰してしまったのかもしれない。


 なーんちゃって。馬鹿にしているのですか? あなたが犯人だというまで取り押さえた上で言っているんですよ。


 鬼頭くんの胸についていた年輪のような模様が、。もう言い逃れはできないでしょう。


 今度は何ですか? 「自分は鬼頭くんがスマホに宿っているだなんて知らなかった」って? 濡れ衣だと言いたいのですか?


 ふん、言い訳は無用です。


 あなたは「人を殺す覚悟がある方だけお読みください。」という文言を無視してここまでやってきたそうじゃないですか。


 あなたは越えてはならない一線をとっくに越えてしまったんですよ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る