Amber Honey #Soprano x Alto

【警告】

百合です!

亜樹♀ x 紺野♀











「お帰りなさい ひーちゃん」


「ただいま あきちゃん」



 疲れた顔して ひーちゃんが部屋に入ってくる。174㎝のスラッとした長身に グレーのパンツスタイルのスーツ。アタシのルームメイトで親友の紺野 瞳さん。25歳。通称 ひーちゃん。



「疲れたぁ~。こないだ ミスしちゃったってお客さんとこ 今日も外商だったんだけど 続けてミスなんて できないじゃん? 絶対 ミスできないって思ったら 緊張して めっちゃ疲れた~」


「あー それは お疲れ様。温かいシチュー もうすぐ出来るんで もうしばらく 待っててください。食べたらお風呂行って 暖まって 早めに寝ましょう」


「あきちゃん いつも ありがと」



 アタシの名前は 宮村 亜樹。ひーちゃんと同い年の25歳。大学卒業後 広河原の音楽教室でボイストレーナーしたり ネット経由でイラストの仕事したりしてます。ひーちゃんの方は 本町にある富永商事ってゆー会社でOLさんやってます。

 アタシ達 高校生の時に知り合ったんです。アタシは聖心館。ひーちゃんは藤浜工業ってゆー別の高校だったんですけど たまたま 通学電車が一緒だったんです。その時に 痴漢されて困ってたアタシを助けてくれたのが 瞳さん。ホントにカッコよくて 爽やかで 王子様って感じで……一目惚れでした。まぁ 仲良くなったら けっこう乙女なところもあるし 可愛いところも いっぱいあるんですけどね。

 大学は アタシの通ってた聖心館に ひーちゃんも来ることになって その頃から ルームシェアしてます。……その内 ベッドルームもベッドも1つしか使わなくなったんですけど。まぁ そんな感じの〈親友〉です。



「お待ちどうさまです。シチューできました」


「わぁ 美味しそう ありがとー」



 ひーちゃんは 好き嫌いなく 何でも食べてくれるんで ご飯作ってても嬉しいです。 特に クリームシチューは 好物なんで 秋冬の定番メニューの1つ。それともう1つ ちょっとした符丁に。それは 鮭入りクリームシチューはエッチのお誘い。初めての日が 鮭入りのクリームシチューだったから それ以来のお約束。アタシも なんか エッチな気分になっちゃう時とかあるんですけど 自分から誘うとか 恥ずかしくって……。ひーちゃんは いつも通り『美味しいね』って食べてくれてるけど たぶん分かってくれてるハズ。


 えっ?

 定番メニュー?

 いや~。だって 寒いから 人肌恋しくなっちゃうし…ねぇ?



「……ご馳走様」



 ひーちゃんは 食べ終わったあとも テーブルに座ったまま。アタシが食べ終わって 洗い物してる間も テーブルでスマホ弄ってる感じ。アタシが 食洗機のセット終えると



「終わった? ……やっぱ お風呂?」



 って 少し赤い顔。

 やっぱり 分かっててくれたみたい。可愛い。スラッとしてて バレーボールで全国大会出たこともある スポーツウーマンで 仕事もバリバリこなすカッコいい 男勝りのひーちゃんなんですけど 恋愛には臆病。甘えるのも あんまり上手じゃないんです。でも ホントは 甘えたいタイプ。ちょっとうながしてあげないと なかなか素直になれないんですよね。そーゆーとこも可愛いんですけど。



「ひーちゃんの好きな方でいいですよ? お風呂でも ベッドでも……」



 ひーちゃんは 赤い顔して 困ってる。ホント 可愛いです。イジメて欲しそうだし もうちょっと なぶぶってあげようかな……。



「ちゃ~んと 言わないと ここで襲っちゃいますよ?」


 

 そう言いながら ひーちゃんが座ってるダイニングチェアの後ろに回りますけど ひーちゃんは黙ったまま……。

 目を閉じて 唇を差し出します。

 

 あらら? ホントにここで 襲って欲しいの?


 なんてダメな子。可愛い過ぎます。お仕置きしなきゃですね。


 

 


 


 

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