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驚いている元気さんが少し考えた顔になってから聞いてきた。
「前の会社で実績残してたんだ?
天気予報より天気予報らしいし。」
「いえ、前の職場は派遣だったりバイトだったり。」
「それでここに入れたの・・・?
いくらお父さんがここで働いてたとはいえ、お父さんだってここで役職もついてなかったんだよね?」
「そうですね、平社員だったらしいです。」
私が答えると一平さんが慌てた様子で口を開いた。
「国光さんのお父さんに何度も昇進の話が出てたけどね、毎回辞退してたんだよ!」
一平さんの言葉に元気さんは考えた様子を続けながら、立ち上がっている私を見上げてきた。
「国光ちゃん、どうやってこの会社に入ったの?」
「前会長が声を掛けてくださったんですよね。」
私の答えに元気さんの茶色く透き通る目が鋭く光った。
でも、一瞬だけ。
すぐにいつもの元気な笑顔になって・・・
「俺、じいちゃんのこと大嫌いなんだよね~!!」
大声でそう言って爆笑していた。
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