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夕方
先輩から渡された契約書、そこに社判と認印を押印し1部を返信用封筒で返送するだけでいいと言われたけれど・・・。
私は認印をなかなか押印出来ずにいた。
何分経っても押印出来なくて、契約書を見下ろし長い時間固まっていた。
そしたら・・・
「国光ちゃん、固まってどうしたの?」
ペットボトルのコーラを飲みながら元気さんが声を掛けてくれた。
「これをココに押印しようとしているんですけど。」
「うん、会社の印鑑押したことない?
たいした契約書じゃないと思うしパパっと押しちゃえば大丈夫だよ。
曲がっても大丈夫だし、認印が欠けた状態になったらすぐ横にもう1つ押印しておけば?
もしもダメだったら後で向こうから連絡くるでしょ。
パパっと押せばいいよ、パパっと。」
そう言われたけれど、私は押印出来ずにいて。
働いていて私にはこういうことがたまに起きる。
だから職場で私の扱いに困らせてしまい、派遣やバイトで職場を転々としていた。
「でも・・・なんとなく押せなくて。
代わりに押してくれませんか?」
私が元気さんに契約書を渡すと、元気さんは少し考えた顔をしていたけれどすぐに受け取ってくれた。
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