12
「一緒に食べてくれてありがとうございました。」
私がそう言うと元気さんは困った顔で笑ってくるので、私は伝えた。
「この1回で大丈夫です。
凄く楽しかったです、ありがとうございました。」
「そっか!楽しかったならよかった!!」
元気さんがホッとした顔で笑っていて、その顔を見てまた泣きそうになった。
それでも笑っておいて、私はトレーを持ち上げた。
「お先に戻ります。」
そう言った私に元気さんは凄く凄くホッとした顔をしているので、私は思わず聞いてしまった。
「約束したでしょ?忘れちゃった?」
私の言葉に元気さんは苦笑いをして、それから口を開いた。
「ごめんね、俺って勉強も出来ないし記憶力も悪くって!!
底辺みたいな高校を卒業してからは放浪の旅に出ててさ!!」
「だから、忘れちゃったんですよね?」
「うん、そんな感じなんだと思う!!
ごめんね~!!」
元気さんからのその言葉を聞いて、私は笑いながら首を横に振る。
「私も勉強も出来ないし記憶力も悪い高卒なので、よく忘れちゃいます。」
「国光ちゃん、高卒なの・・・?」
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