9

日曜日




「美鼓~、神社の掃除してきてくれない?」




家のリビングのソファーに寝転がりテレビを見ているとお父さんが言ってきた。




「え~、正社員で働き始めたし私も疲れちゃったもん。

お母さんは?」




「女子会に行っちゃった。」




「ババ会の間違いじゃなくて?」




私が今回もそう言うとお父さんがヒーヒー言いながら笑っていて、私はそのタイミングで出てきたカヤを見る。




「カヤ、神社の掃除お願~い!」




「えー!?私これから友達と遊びに行くんだけど!!」




「その前にチャチャッとやってきてよ!

大学生だから夏休みでしょ!

家の手伝いしなさい、家の手伝い!!」




「正社員になったからって、お姉ちゃん手伝い全然しなくなったじゃん!!」




「なんかあの会社疲れる・・・。

もう疲れた~!!!」




「入る前から疲れてなかった?」




「うん、なんとなくね~。」




「はいはい、“なんとなく”ね。

じゃあ大学生で暇な私が奉仕してきますよ。」




「小さな神社だからすぐ終わるから~!」




お父さんが神主として最低限のことをしている小さな小さな神社。

そこの掃除奉仕にカヤが向かっていった。

神職資格を得る為に大学の専門学科にも通っているカヤ。

それでも我が家では毎日のようにこんなやり取りが行われる。

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