第14話 結末

 そろそろ、あの忌まわしい日々から4年が経過したでしょうか?

 もう時効なので、その後、どうなったか、結末を書いておきたいと思います。


 この文章を付け足しているのは、モンスタークレイマー氏からストーカーされてから約8年後に改めて文章を書き足しています。


 その後というか、その間、私は海老名警察署に5~6回、モンスタークレイマー氏のことで電話相談しまして、これではらちがあかないということで、海老名警察に1度、資料を持って被害届を出しに行きました。


 結論から言うと、海老名警察は、被害届を受理してくれませんでした。

 理由は1つ。


 お互いがお互いを名誉毀損するようなことを言い合っているので、被害届は受理できないということが主な理由でした。


 どういうことかと言いますと、例えば、私の被害届が受理されて、警察が初動捜査を開始したとします。


 捜査が進み、相手をいざ逮捕、もしくは罰金刑を科す段階になった時、当然、相手方はその状況を回避するため、私を同じ理由で訴える行為、反訴に出ます。


 つまり何が言いたいかというと、仮に警察が捜査の段階で犯人逮捕までこぎ着けたとしても、相手方が被害届を提出すれば、両方がお互いを訴える泥仕合となってしまい、最後は、お互い何もなかったことにしましょう、被害届をお互い取り下げましょうということになる。


 つまり、警察は、どちらかがクリーンハンドでなければ、捜査が無駄骨になってしまうので、被害届を受理しないのです。


 私たちはお互いに罵り合い、お互いに名誉毀損的なことをネットに書き込んでいたので、そういう意味に於いて、捜査の対象には成り得ない間柄でした。


 なので、海老名警察はその点を鑑み、私からの被害届を敢えて受理せず、2ちゃんねるは極力見ないようにして、相手にしないようにと言いました。


 そうこうしてるうち、今度は、モンスタークレイマー氏(毛玉氏)から、被害届を出したという連絡が入りました。


 ではなぜ海老名警察は被害届を受理せず、なぜ毛玉の告訴状は受理されたのでしょうか?


 甚だ疑問でしたが、後から分かった情報では、担当の刑事さんに一方的に嫌がらせを受けていると泣きついたそうで、担当の刑事さんに何度もあなたは反撃していないですねとの問い合わせに泣きそうな顔で一方的に嫌がらせを受けて夜も眠れない。


 相手が襲ってきて危害を加えてくるかもしれない、夜も不安で眠れない、そんなことを言ったと説明を受けました。


 担当刑事の上司が、毛玉のことを卑怯な奴だと罵っていましたが、薄々、なにかを感じとっていたのかもしれません。


 とにかく毛玉の告訴状は無謀にも警察に受理されてしまいました。

 取り下げて欲しければ、お前が書いた★1レビューをすべて消せと一方的に電話が入り、私はモンスタークレイマー氏の要望に従いました。


 いつものお得意の女性のアイコンを使った、なりすまし、複垢ツイッターで、被害届を受理しましたという、警察の被害届受理書を添えてツイートしてきて、そのすぐ後、こちらに電話を掛けてきたようです。


 被害届は困るので、★1レビューは消すから、被害届を取り下げろということで、話は、一件落着しました。


 というか、一件落着したはずでした。

 モンスタークレイマー氏もその点、同意した筈ですが、この人物は、相手を後ろから平気で切りつけるような卑怯なことをする男なので、結局、★1レビューを削除させるだけさせて、告訴状は取り下げなかったというのがどうやら真相でした。


 このときの会話は、全部で3回くらいあり、モンスタークレイマー氏との会話は、すべてマイクロ・レコーダーに録音してあります。


 いざというとき、いつも言うことが二転三転し、ころころ変わるので、念のためということで、保険をかけておきました。


 後日、警察の事情聴取の時も、この音声を刑事に聴かせましたが、刑事さんはあの男がこんなに威圧的に話すのかと半信半疑なようでした。


 それから何やらバタバタ忙しくしていて、告訴状のことはすっかり忘れていたのですが、ある日突然、複数の警察官が押し寄せてきて、事件が始まります。


 あれは忘れもしません。

 12月24日、クリスマス・イブの日、お昼頃、玄関の呼び鈴がけたたましく3度鳴りました。


 それから少しして、母親が大声で、何かあったのか、私を呼びます。

 慌てたような、スットンきょんな声を上げ、何度も私の名前を呼びました。


 部屋の扉を開け、下階に向けて「なに」と聞き返しましたが、「ちょっと来て」と言うなり、父親が何か相手といぶかしげに会話する声が聞こえます。


 下に降りると、玄関先に屈強な大柄な男が3~4人。

 状況が飲み込めない私を尻目に、胸の位置に、捜査令状を広げて見せ、私は事の次第を理解しました。


 「高●●●、わかるな?」

 捜査令状におそらく男の年齢でしょう、名前の上に、朱書きした(52)と書き込みがあり、捜査官が部屋に上がり込もうとしました。


 「私は酷く慌て、その件では海老名警察に相談してるので、海老名警察にまずは連絡させてくれ。話は、それからだ」と言いました。


 「婆雨さん、ご指名です。この状況下では電話は使えません。今から家宅捜査します」


 またしても、土足で家に上がり込もうとしました。

 私は、こうなった経緯を説明しました。


 私は被害者で、今まで散々、イヤガラセを受けてきたこと、名誉毀損的な書き込みをされ続けたこと、それについて証明できることを、何度も説明しましたが、裁判所の許可を取っている、ご指名ですと改めて言い、この状況を回避できない旨を宣告されました。


 「今から家宅捜査します」

 大きな箱を4~5箱、胸に抱えた警察署の署員が、家に上がり、私の部屋、2階への階段を足早に駆け上がります。


 救われていたというか、最悪の状況でしたが、まだツキがあったのは、私が不在ではなかったことです。


 もしも私が不在だったら、パソコン一式、家から持っていかれたでしょうし、そうなれば、反論するにも証拠の提出ができず、罰金刑に従うしか方法はありませんでした。


 結果オーライですが、私には、まだツキがありました。

 警察も、クリスマス・イブを選んだのは、多分、私が出掛けているだろうと思い、パソコン、関係資料一式を押収したかったからだと思う。


 警察官には、私が何度もイヤガラセを受けてきたことをお話ししましたが、担当刑事は、「それが事実ならね」「事実ならあなたの被害届も受理しますよ」、そんなことは万に一つもありえない、さもそう言いたげに軽く私の言葉を受け流しました。


 警察は、虫も殺すことができそうにない、モンスタークレイマー氏が、イヤガラセをするはずなど万に一つもない、そんなことは絶対にあり得ない、きっぱりとそう断言しました。


 担当刑事の上司が、しきりにイヤガラセの事実関係が、S氏からもあったのかを担当刑事に確認しましたが、担当刑事は、一方的に私から名誉毀損的なことを書き込みされ、夜も眠れないくらい、モンスタークレイマー氏が悩んでいるといった主旨のことを答え、モンスタークレイマー氏は真の被害者であるという認識のもと、強制捜査が続行されました。


 どうもモンスタークレイマー氏は、私からイヤガラセ行為を一方的に受け、夜も眠れないくらい悩み、私が彼の住所を知っていて彼を襲撃するかも知れない、身の危険を感じるので、婆雨を逮捕してくださいみたいに言っていたようでした。


 また担当刑事の上司が言うには、いつになったら捜査を開始してくれるんですかとS氏に問い詰められたようで、捜査してくれないなら関係機関に訴えると脅されたようなことも仰っていました。


 家宅捜査が終わり、幸いなことに、パソコンを含め、何も押収されなかったことが唯一の救いでした。


 以後、これが私の生命線となり、後日、証拠の提出時に、役立つことになろうとは、その時の私は知る由もありませんでした。


 その日は、夕方、海老名警察に出向き、任意の事情聴取を受け、時間にして4時間くらいでしょうか、取り調べ調書を作成し、家に帰されました。


 そして続きは年明けの1月4日、水戸警察で再び行われることが決まり、早速、反論書類の作成準備に取りかかりました。


 結局、調書の作成の為、水戸警察には2度出向き、かなり長時間にわたる捜査を受けました。


 高速を使って片道5時間。

 車で往復10時間。

 そして長時間に及ぶ捜査。


 モンスタークレイマー氏から受けたイヤガラセ行為の数々をすべて警察官に伝え、やはりその時点でも、警察官は半信半疑で、高●●●氏が、そんなイヤガラセのようなことをするとは思えないみたいな態度で接してきました。


 警察官に状況証拠を突きつけても、それでも半信半疑で、口先だけではいくらでも言える、私が嘘を言っているのではないのか、虚言癖があるのではないか、終始、そんな態度を崩しませんでした。


 通常なら、モンスタークレイマー氏側からもイヤガラセ行為を受けているので、被害届は犯罪事実不明瞭、犯罪不成立など、受理されないか、そこで捜査は終了すべき事案なのですが、警察はそこで捜査を終了せず、書類送検を行い、水戸検察庁に判断を仰ぎ、事件化した以上、法の裁きを受けるべきだという考えを崩しませんでした。


 事実、「私はどうなるのでしょう?」、そう担当刑事に尋ねた時も、「おそらく罰金刑になるでしょう」と言っていましたので、まさか無罪放免になるとは、あの時点では誰も思っていなかったはずです。


 水戸警察の署員の方には、本当によくして頂き、感謝の念が絶えないのですが、通常なら、あそこで捜査は終了すべきで、事件化せず、書類送検もされるべきではなかったと私は個人的に思っています。


 また私に対し、取り調べをする以上は、モンスタークレイマー氏にも同様の取り調べをすべきだと私は言いたい。


 水戸地検に書類送検したのは、高●●●氏の強い要望があったのも事実ですが、やはり取り調べをした以上、検挙率を下げることなく罰金刑に処したいという意図があったのだと思います。


 本来なら、お互いに名誉毀損していた事実を鑑み、捜査前の段階で終了すべき事案でしょうが、水戸警察も告訴状を受理した以上、引くに引けない状況にあったのだと容易に推測が付きます。


 やっぱり捜査に着手した以上、警察は検挙率が下がるのを避けたいでしょうし、モンスタークレーマー氏の泣き落とし戦術、嘘を見抜けなかった落ち度を認めるわけにもいかなかったのだと思います。


 モンスタークレイマー氏は、警察に、一方的に名誉毀損的なことを書き込まれ、イヤガラセを執拗に受けたと証言していたようで、自分は悪いことは何もしていないと言っていたことも、後から知りました。


 この後、4ヶ月後くらいたって、水戸検察庁から呼び出しを受けるのですが、そこでも同じように、モンスタークレイマー氏から受けたイヤガラセの数々をすべて証拠を付けて、お話しさせていただきました。


 モンスタークレイマー氏は、水戸検察庁に手紙までご丁寧に書いて寄越したらしく、厳罰を求めている旨、被害の詳細について検察官に伝えたそうです。


 検察官は、高●●●から手紙が届いていることを私に教えてくれ、住所が見えないように封筒を見せてくれました。


 水戸検察庁の検察官には、こういうことをする、油断もすきもない人だから、絶対に相手に弱みは見せてはいけない、付け入るすきを与えてはいけないと、改めて釘を刺されました。


 私は罰金刑を覚悟しました。

 下された判決には従う意向でした。


 検察官が、お互いに罵り合っていた事実を考慮いただけなければ、私は罰金刑に処されるところでした。


 しかし私が一方的に名誉毀損的なことをしたわけではなく、どちらかといえばモンスタークレイマー氏からイヤガラセ行為を受けてきた事実が明るみになり、以後、罰金の納付に関する納付書は届きませんでした。


 どうやら私は不起訴処分、起訴猶予と判断されたようです。

 一方的に、こちら側だけを処罰するのは公平性に欠ける、もしもこちら側を処罰するなら、相手側にも何かしらの刑を処さないとバランスに欠ける、そう検察官が判断したのでしょう。


 この刑事事件には、後日談があって、モンスタークレマー氏のせいで、水戸警察の担当刑事が速攻で人事異動になる、オマケが付きました。


 つまり担当刑事は、高●●●の嘘を見抜けなかった事実を重く受け止められ、当該事件の担当からはずされ、所轄の警察署から移動になってしまったわけです。


 それはそうでしょう。

 モンスタークレイマー氏の嘘を見抜けなかったばかりでなく、本来、罪を問うべき人を無罪放免し、被害者である私に奇しくも罰金刑を課すような行為をしようとしたわけですからね。


 担当刑事の上司は、モンスタークレイマー氏のことを卑怯な奴だと言い切っていましたが、イヤガラセ犯人をみすみす見逃したばかりでなく、被害者の私を罪に問うよう事件化しようとしたのは、やはりどこかに無理があったように思います。


 モンスタークレイマー氏の泣き落とし戦術にまんまとはまってしまった担当刑事は、刑事としての信用を失ったばかりでなく、転勤で部署を追われた。


 この件で、モンスタークレイマー氏は、地元の警察からの信用を失い、水戸検察庁からも嫌疑をかけられたことだと思います。


 自分が行ったイヤガラセ行為は一切伏せて説明せず、自分は被害者だと今にも泣きそうな顔で演技したのだから、まさか警察官も、嘘を言うような人物には見えなかったのでしょう。この事件には、恐ろしいことに続きがあります。

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