第2話



「へーかすみサンがヌードになっても別にいいんだ」

エリカはびっくりした様に言う。

「そうなの うん 私の事なんてどうでもいいみたい

エリカちゃんこうなったらオールヌードで夫を驚かせようかなって」

「そうですね かすみさんはいいんですか」

「うん 夫もポーズの練習しろって 昨日させられたわ」

「かすみサンヌードモデルの経験は」

「ないわよ そりゃ」

バイトで写真のモデルはあったがそれだけだ

「私の家に アトリエが有ります そこでやりましょう」


「またまたあ 男アサリばっかやってたんでしょ」

「 ほんとは全然違うのよ」

「じゃ かすみサンの本性を暴きましょう」

「怖いわねえ」

かすみは週末にエリカの家に行った

東京郊外の閑静な住宅街

その一角にかすみの家があった

「ようこそいらっしゃいました」

エリカの母親が迎える 有閑マダムという感じだ

そこへエリカがでてくる オレンジのセーターが素敵だった

「いらっしゃいませ」

アトリエに通された

「素敵なアトリエ」

暖房が効いている 

エリカはポーズ集を見せる

「最初は楽なポーズがいいと思うんですが」

「うん」


スカートを足元に落した。

ブラウスのボタンを外し、袖を抜き取る。スカートを拾い上げ、

ストッキングも脱いだ。


 右手を胸に当て、ブラジャーを応接テーブルに

パンツを下す手が重い。


「かすみサンやっぱりセクシー」

エリカは感嘆の声を上げる

ブラを外してショーツを脱いだ

「恥ずかしい」

かすみは思わず体を隠す

「大丈夫ですよ」

エリカはかすみの手をのけさせる

「わあ、きれい。思った通りだわ。かすみさんの裸、とってもきれいです」

「やっぱり素敵な体ですねえ スタイルもいいし」

「そんなジロジロ見ないでよ」

かすみは言う


「そこに上がって」

モデル台の上に上がるとライトを当てられた 

まぶしそうに言う

「ちょっとまぶしい」

「大丈夫 すぐすむから」

エリカはかすみの体を隅々をライトで照らした。

「うん 胸の形もいい乳首もいい色 ヘアも綺麗だ 後ろ向いて」

満足そうにエリカは言う。後ろ向きになりお尻を見せる

「尻も落ちてないし きゅっと上がっている すばらしいモデルですね」


モデル台で何回かポーズをとった。満足そうに頷く。



エリカはひざをつかせて四つん這いのポーズをとらせた

「じゃ描きます」

「寒くないですか」

「大丈夫」

かすみはちょっとひんやりしながらも言った

「どうでしたあ」

「うんよくできたかなあ」

かすみは言う 裸にタオルを巻きココアを飲んでいた

エリカはタオルを取る 裸にされたかすみは驚く


「休憩中も服を着ずに裸で過ごしてください 後

ポーズに従うときはきちんと横に手を置き直立不動」

「えええ」

エリカは厳しい。漸くモデルが終わる。

「どうでした?」

「頑張れた でもエリカちゃんがそんな可愛いオレンジのセーター着てるのに

私だけ丸裸で何もかも丸出しなのは恥ずかしかった」

かすみは素直に言う。

「そのうち慣れますよ かすみサン裸婦モデルなんだからそう言う事言っちゃ駄目ですよ」

「厳しいなあ」

かすみはうんざりしたようにいった

「また来てください」



モデルをしに

何回か通ってるうちにかすみは

見栄やプライドが綺麗に消えていくのを感じた

着衣のままスカートをたくし上げ

下着を下に降ろす。尻を見せたり前のヘアを見せる

「快楽に溺れる感じで」

かすみは顔を赤らめたが 少し喘ぐ様な顔を見せた


「最近はいい感じです かすみサンの本質が全部見える」

「そう全部 さらけ出そうと思ってるの

なんか無理してた所が全部出して女性に戻った感じ」

「それを全て描きますからね かすみさんの全てを描きたいかな

ずっとかすみサンを描きたかった できればヌードで」

「そうなんだ」

「かすみさんモデル続けます?」

「うーん 最初は夫への当てつけだったんだけど

最近は なんだかんだ言ってモデルをするのは楽しいかな」

「それはよかった」

「裸だけど描かれる色んな私がいて楽しい」

家の倉庫にはエリカの絵が沢山飾られていた

「書き終わったらここに飾るんです」

「へー すごいわね」

かすみは一枚一枚見て歩いた

「私ほんとは画家になりたくて でも美大ではさっぱり

親は留学させてやると言ってくれたんですが 自分の力でお金を貯めたくて」

「えらいわねえ」

「私なんか男の人と遊ぶ事しか考えてなかった 」

「昔は結構遊んでたとか」

「うーん普通かな 旦那にあってから真面目になったかな 夫にあってからきちんとして

アパレル系に入り直して良き妻 良き母で居ようと」


「かすみさんは男の人と何人くらい付き合ったんですか」

「私?5人」

「やっぱりビッチじゃないですか」

「そうかなあ どうしても私を軽い感じにしたいのね」

コーヒーを飲みながら言う

「毎日色んな人に抱かれていたわけじゃないのよ 勘違いしないでね」

「またまたあ 男アサリばっかやってたんでしょ」

「 ほんとは全然違うのよ」

「じゃ かすみサンの本性を暴きましょう」

「怖いわねえ」


やがてエリカの絵は完成した

そこに描かれたかすみは

弱く純粋で淫らで娼婦の様に男を求める女性だった

夜な夜な相手を捜してさまよう女性 快楽に溺れあざとくはしたない姿

「これが私」

かすみはショックを受けながらもその絵を眺めた

「かすみサンの一面を出せたかな」

満足そうに言った

「私ってこんなに淫乱でビッチ?」

「隠してるだけ」

かすみは納得できない感じだった

「この絵 展覧会で一番いい所に飾るね」

「はあ」


3ヶ月後に行われた個展は大盛況だった


かすみの全てが描かれていた

セクシーなかすみ 娼婦の様に男を誘うかすみ快楽に溺れるかすみ

会社でもその話題に持ち切りだ

社員達は描かれた かすみの尻や胸を論評し描かれたかすみに

「かすみサンてセクシー」

「まるで娼婦の様な所も有るんだな」

「そう言えば前は固い感じもしたけど最近は緩い感じも有るな ちょっと軽いというか」

「今度誘ってみようかなあ 俺狙ってたんだよね」


かすみはセクハラまがいの話題も振られたが

笑顔でかわした

「かすみさんこれ」

入社一年目の赤星が資料をもって来た

かすみは資料をチェックする

「ありがとうございます」

赤星は小柄の男性社員だ

きびきび動く かすみに話しかけられると顔を赤くして出て行った


「なんか赤星君かすみさんのヌード描きたいみたい」

お昼休み エリカが言う

「ええ」

赤星だけでなくエリカの社内絵画サークルは入会希望が凄いらしい

「私のヌードをそんなに描きたいの」

「そうみたいです」

「困ったわ」

「私だけだったんですよ 会員は」

エリカは呆れる

「かすみサンが良ければ」

「え今度は会社の連中のヌードモデルになるの?」

かすみの夫は気のない感じで言う テレビの野球中継をみている

最近仕事が忙しく 疲れたばかり言う

「貴方がいやなら」

「別にいいよ 好きにすればいい」


興味が無いという風に夫は言った

かすみは溜息をついた

エリカにヌードモデルをする事を告げると

「ご主人どうでもいいみたいですね」

「そうなのかなあ 私に興味ないみたい」

「相変わらずセックスレスですか 勿体ない かすみさんの体最高なのに」

「どういう褒め方よ」

「かすみサン誰か他の男の所にふらふらと行ってしまいますよ」

「そこまで軽くないわよ」

かすみは抗議した



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