第20話 火の超級ダンジョン
「ほほほ、愉快愉快」
あれから辺境伯夫人ことグロリア様がパーティーに加わった。本当は、火属性ダンジョンは辺境伯自らが家宝の炎の鎧を纏って出陣する予定だったのだが、夫人の鶴の一声で全て無かったことになった。そういえば水の装備一式を譲渡した後の晩餐に、三日前とはまるで別人、枯れ木のようになった辺境伯が言葉少なに参加していたが、早々に退出して行った。何があったのか、あまり知りたくない。
お察しの通り、火属性ダンジョンは火山の中にある。
このダンジョンは、水のダンジョンと同様、火山の中の広い空洞に、各所マグマが流れており、歩行可能箇所は迷路のようになっている。水のダンジョンと違うところは、こちらは単純な迷路なのだが、東西南北どこを向いても同じような光景なので、非常に道順が覚えにくい。散々やり込んでルートを掴み切るまで、非常に難儀した記憶がある。
あるのだが。
「
ここも水属性ダンジョンと似た構造であり、すなわち全体攻撃魔法でワンパンなのであった。飛翔して、入る、氷嵐、拾う、戻される。入る、氷嵐、拾う、戻される。グロリア様のMPが尽きると、今度はエリオット氏の
「ダンジョンとは
グロリア様、上機嫌である。
「まことです、母上」
「いや普通はこんな感じでは」
どうも長年の慣例なのか、それとも溢れる家族愛の成せる
「ブリザード、格好イイっスよね!ぶわーっと」
グロリア様が許したからと言って、ブリジットは神をも恐れぬタメ口である。
「氷のバラが咲き乱れて、とっても綺麗です…」
このダンジョンの攻略もこれで3日目。火属性武器防具シリーズももう、3
もともと彼女が所持していたスキルは
領都に戻ると、何とか元気を取り戻した辺境伯様がお出迎えくださった。事前にフェリックス
なお、グロリア様が腕輪で「
あ、扉の影からお庭番の爺やさんが血涙流して
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