第10話『気にせんとこっ!!』
第十話『気にせんとこっ!!』
蜂の巣に居を移して三年……
いや、たぶん三年くらい経った感じ。
「お兄ちゃ、これあげゆ」
「はいはい、ありがとね」
三年と言う月日は俺達を大きく成長させた。
俺に
彼のナウォヤと言う名は、拳闘士四団体二階級統一世界王者のように強くなって欲しいと願って私が名付けました。
俺や悪魔姉弟達の魔力を浴び続けた
黒くて綺麗だった艶のある柔らかい黒髪も、今は見る影も無く銀髪です。俺は碧眼だが、この子の目は真っ赤です……ブラウンだったのに何故だろうな?
しかも、せっかく俺が最強世界王者の名にあやかってナウォヤと名付けたのに、周囲が進化済みの悪魔働き蜂(女性)だらけだからだろうか、ナウォちゃんはどことなく男の娘臭が漂うのです、力強さとかワンパクっぷりだとか皆無なのです……
更に、俺以外の兄弟がナウォヤと念話で彼を呼ぶと「ちゃんを付けろよデコ助野郎」と言うらしいのです……信じられません。お姉様方や女王は必ず『ナウォちゃん』と呼ぶので怒られません。
ナウォちゃんはこの惨酷な世界に耐えきれるでしょうか……
可愛いモノ好きな彼にはキツイ世界だと言うのに……
「お兄ちゃ、コレ可愛い?」
「うんうん、かーいーねー」
ナウォちゃんは常に花飾りを頭に着けているのです……
その花飾りは毎日色が違うのです……
それを僕に査定させるのです……
毎日外から摘んで来る侍女蜂に感謝なのです……
「お兄ちゃ、コレ可愛い?」
「うんうん、かーいーねー」
ナウォちゃんはズボンではなくスカートを履くのです、ピンク系のスカートです……
俺のMPで染め上げた黒いスカートは投げ捨て、ズボンには唾を吐きつけるのです……
蜂の幼蟲が吐いた頑丈な糸はほぼ全部彼の衣服に使われるのです……
思いっきり贅沢お姫様ムーブなのです……
兄は心配なのですナウォちゃん……
いや、別に構わんのだよ?
男の娘、良いじゃないですか、私は好きです。
むしろこの世界の性別は『男・ナウォヤ・女』に分かれているのでは、そう思っていたところです。
そうそう、そう言えば悪魔姉弟達は全員『
彼らは姓など無かったし、名前すら付けられなかった子も居る、なので珍しい上に新興の新名姓をとても大事にしている。
お姉様は自分の口でハッキリ名乗りたいと言っていたが、残念ながら彼女達は口が利けない。三年経っても無理だった。
その分『念話』が上達したので俺としては不便などない、もともと念話無しでも意思疎通は出来ていたしな。
ただ、念話だと日本語音声として認識出来るので楽しい。
お姉様は本当に綺麗な声だった、三兄弟はうるさかったが。
まぁ、彼女達の肉声がいつか聞けるようになる事を願うばかりである。
「お兄ちゃ、こっち、ねんね」
「はいはい、ねんねしよーねー」
どうやらナウォちゃんは遊び疲れたらしい。
侍女蜂が用意した綺麗な布の上に二人で寝転ぶ。
この布は蜂幼蟲の糸で出来ている、どう見ても上等な
上半身が人化して半人半蟲っぽくなった侍女蜂達が俺達の周囲に寝転ぶ。
彼女達は何故か服がエロい、俺のMP注入で進化と同時に創造された黒い悪魔服は俺やナウォちゃんの顔に胸部を近付けると左右にパカッと開く仕様だ。
ケシカラン仕様だ、誰が考えたんだまったく、まったくもう……
イタダキマス、ちゅぱちゅぱ……おやすみ~……
優しさと柔らかさに包まれながらお昼寝、眠る時はMP放出を忘れない。まぁ俺が忘れても姉や侍女が勝手に吸い付くんですけどね。
あ、誰だね私の衣服を
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
良い感じでお昼寝していると、下半身がソワソワ……
ウッ、また君か侍女蜂のペロちゃん……
その起こし方はやめたまえ。
それに、気付いてるぞウッ、君の中に
まったく、昔からウッ次姉様は……
何度も言うが、そこからはウッ何も出ない、いいね?
見なさい、三女四女と並んで来たではないですか、しかも侍女蜂に憑依するとこまで真似して……ウッ。
姉様方にも困ったもんだ、大人になったのは体だけですなっ!!
あと十年待ちたまウッ……やめて下さいくすぐったいです。
「お兄ちゃ、むにゃむにゃ、おはよ」
「はいはい、おはようねー、ナウォちゃんはお利口さん」
寝ぼけた幼児は可愛いですね、大好物です。
なので、その幼児が不思議がるような行為は慎んで頂きたい。
聞いていますか次姉様、そうそう、やめてくれると助かウプッ、違う、パイ責めも要らない、確かに寝起き直後は喉が渇くがウプッ、次姉様とペロちゃんのオパーイからは何も出らんのですムチュ~、違う、何か甘い唾液も要らない、ドロッとしてて逆に喉が渇くのです……
ハイハイお
ふぅ、毎回これだ、さすがに疲れる。
幼児ボディじゃなければ日に十三回くらいは犯す自信が有る。
さて、起きようか。
「よっこいしょ……また全裸になってる」
ほぼ毎回だが、俺が眠ると誰かが服を脱がせる。寒くはないので別に構わんが、舐め回されたり何なりされた全身から卑猥な香りが漂うので困る。
実に困るのである。
この幼児ボディでは熱く煮えたぎる股間のパッションをどうにも出来ないので困るのです。
ハァ~と溜息を吐き、ケツをポリポリ掻く。
そんな幼児ボディの胸には小さな光……
最近胸の中央が薄っすらと光るようになった、お姉様や兄弟達にも出てきたが、これが何なのか誰も分からない。
そもそも『黒い光』ってのがな、意味が解らんがそう表現するしかない色だ。
そう言えば俺と接する時間が多い女王や侍女蜂も光ってきたが、俺達とは違って黒に緑が混じったような色だった。
何だろうなこの光……?
体の調子は良いので誰も気にしてないけどね。
まぁいいや、ナウォちゃん散歩行こうぜ!!
今日は巣の拡張工事現場まで行こう。
何か変な魔物が居るらしいから二人でブッ殺そうね!!
ハ~イ出発っ!!
あ、そう言えばあの孤児院は火事になって潰れたそうだ。
周囲の探検に行った三兄弟がついでに見に行ったら焼け跡だけだったらしい。
ま、どうでも良いけどね。
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