第6話
怪物に襲われそうになった事で恐怖を覚えてしまう事なんていくらでもある事例だ。
ならば動音メロの行動を拒否する事なく受け入れる事が重要だと神守クロウは思った。
「じゃあ、行こうか」
なので動音メロの手はそのままにする。
この手の握り方は解釈次第によっては、そう簡単に手放す事ができなくなるので、逃げる時もしっかりと手を掴んでいられると、神守クロウはそう思った。
神守クロウは少しだけ握る手を強める。
「っ」
すると動音メロはその行動に反応するかのように握り返した。
なんとも、じめじめとしていて、恋人繋ぎである事を再確認するかの様に、強弱を繰り返しながら握り出している。
…特に怪物に操縦する事なく縮小と農場は危険な場所から出る事ができた。
「はぁぁ…到着ぅ」
なんとか無事なところまで送り届ける事ができて神守クロウは安息の息を吐く。
動音メロは周辺を見渡して他に人がい無い事を確認すると携帯電話を取り出した。
「あの…」
動音メロは両手で携帯電話を握りしめたまま神守クロウに聞く。
「…今日は、ありがとうございます、あの場所で、貴方に出会わなかったら、死んでました…私を拒否してくれなくて、ありがとうございます…今日、お礼がしたいので、…」
今回のお礼がしたいから連絡先を教えて欲しいと言われた。
「え?あー…」
神守クロウは残念そうな表情を浮かべる。
神守クロウは携帯は持ち合わせていなかった。
神守クロウと契約している神様に頼めば携帯電話ぐらい持つ事が出来るだろう。
神守クロウは最近の携帯電話は色々な操作が多すぎて複雑すぎるためにしていなかった。
動画撮影やチャンネル確認などは神様と契約した事で脳内で処理できるためにあまり必要性を感じ無いでいたのだ。
「悪い、俺、携帯電話、持って無いんだ」
神守クロウの言葉に動音メロは、ずっと神守クロウの目を見つめている。
嘘か誠かを見極めようとしているらしい。
神守クロウは脂汗をかきながら動音メロの視線に目を向けていた。
そして神守クロウの言葉が本当だと分かった時に動音メロはため息をついた。
「そう、ですか…珍しい、ですね…携帯電話を持って無い、なんて」
それでも諦めきれ無いのか。
「じゃあ、家の固定電話を、それか住所を、いえ、なんでしたらこのまま住処まで一緒にさせて下さい」
なおも食い下がる動音メロ。
何でもいいから神守クロウの情報を知りたいらしい。
「(別に、其処までしなくても良いのに…)」
神守クロウが恩返しなど考えなくてもいいのにと思っている。
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