7魔王の娘の可愛さに負ける

「シュー様!!どうなさったんですか!?」


バンッ!!!


脱衣所に逃げた私を心配してかウィリアが慌てて浴室の扉を勢いよく開けた。いや、扉は吹っ飛んだ。


「だわぁぁあぁぁ!!ウ、ウィリアっ出てこないで!ちょっと待ってて!」

「え?あ、はい……」


ウィリアは静かに扉を元の位置に戻した。

傾いている扉をウィリアが支えているのがみえる。素直で良い子だけど、家中の通気性が良くなって困っちゃうなぁ!


私は急いで体を拭いていると、私が脱いだ服はカゴに入れられていて、その横には畳まれた服が二組用意されていた。


「ウィリアが用意してくれたの?」

「はい。元々部屋に置いてあったものですが……」


「ありがとう……」


青い服を選んで手に取った。どうやらツナギのようで両足を入れてから腕を通した。胸の方にジッパーが付いていてジジジッと上げていく。フードとしっぽ?もついている。背中には背ビレ?のようなものが見える。


「…………なんだコレっ!!!」

「どうしたんですか!?シュー様!!」


バンッ!!!!!


「わぁぁあぁ!!ウィリアは出てこないでぇ!!」




…………





ウィリアが可愛く跳ねた。耳が揺れ、同時に胸も揺れている。


めちゃくちゃエロ可愛いなっ!!!


「シュー様!すっごく可愛いです!!」


可愛いのはウィリアだよ!!律儀にフードを被って長く垂れた耳が揺れ、お尻にはモコモコの丸い尻尾、私と同じようにツナギなのに大きな胸は隠される事なく存在感を放っている。


私の周りをぴょんぴょんと喜びながら跳ねているウィリアはピンクのウサギのような格好だった。私は青い龍の格好をしている。


これってサブリオン王国のマスコットキャラ、サブちゃんとリオンくんじゃないか!誰だよこんなの用意したやつ!!すっごく着心地いいです。見た目はアレだけど!


「すっごくお似合いですよ!シュー様」

「はは……ありがと」


ウィリアにフードを被せられ、さらに嬉しそうに私を上から下まで眺めている。


「これって寝巻きですかね?着心地がとても良いので気持ちよく寝られそうですね」

「そうだね」


寝る時以外に着たくはない。これで街中歩いていたら注目の的だろう。ただでさえウィリアは色々と目立つというのに……


「あれ?ここに何か付いてます」


両腕の袖の所に膨らみを感じたらしく軽く握った。


ピョコッ!


「えぇっ!」

「み、耳が立ちました!」


えぇぇ……何その機能………その機能いる?どういう時に使うやつですかソレ。どちらかというと邪魔じゃない?寝巻きとして着るなら余計な物がついてたりすると、気になって寝れなくなっちゃいそうだよ。


ウィリアが楽しそうに耳をピョコピョコと立てて遊んでいる。右袖を握ると右耳が、左袖を握ると左耳が立つ仕組みになっているみたいだ。わざわざ左右それぞれ動かせるようになってるらしい。


ウィリアは右耳を立ててパァと笑顔になり、左耳を立てては嬉しそうに笑っている。


クッッッソ可愛いなっ!!いるわ!この機能いる!可愛いもんだって!耳立てるだけでそんなに喜ぶなんて可愛すぎるッ!


こういうのもウィリアは初めて見るのかもしれないな。


「シュー様の服には何がついてるんですか?」

「え?これ?」


ウィリアの服には耳が立てられる機能がついていて、私の龍には耳のようなものはついていないが、右袖に触れると何かボタンのようなものがついていた。


押してみるとカチッと音がなった。


……何か動いているようにも感じないし、特に変わったところはないように思える。


「すごーい!」


ウィリアが楽しそうに私の頭を見て言った。


「何?何が変わったの?」


近くにあった鏡で自分の姿を確認すると、被っているフードに描かれている龍の目の部分が明るく光っていた。


この機能いる!?!?これこそいらないよね!?私の頭光らせてもなんも楽しくないよね?


「シュー様かっこいいです!!」

「……別にカッコ良くはないでしょ」


龍の目が光ってかっこいいだなんて、こんなフード付きの服じゃカッコ良くもなんともないでしょ。フードを持ち上げようとした時に私は気づいてしまった。


左袖にも何かボタンのようなものがついているということに……これは、押すべきだよな。


あまり乗り気はしないけれど、なんとなく興味本位で左袖のボタンも押してみた。カチッ


鏡に映る自分を確認すると今度は龍の目が七色の光に次々と色が変わっていた。


「いらんわっ!!」


ばさっと乱暴にフードを取った。


「あ、シュー様」


脱いだフードが再び被せられる。


目の前にはウィリアが立っていて、七色に光っている龍の目を見て楽しそうにしている。


「すごいですよ!シュー様!ただの服だと思っていたのに、こんなすごいことができるのですね!」


無邪気に笑って、ぴょんぴょんと跳ねて嬉しそうにしている。目の前で揺れる胸、可愛すぎる笑顔を私にむけてくるウィリア。


クッッッッソエロ可愛いなっ!!!!いるわ!この機能!最高です!!




ひとしきり私の龍の七色に光る目を見て楽しんでいたウィリアがそろそろご飯にしましょうかと、キッチンに向かったので私は袖のボタンを再度押して光を消した。


「…………(しゅん)」

「ん?」


先程まで跳ねるようにしてキッチンに向かっていたウィリアが悲しそうにして振り返った。


なんだろう?消したのがダメだったのかな。


カチッ


「……………(パァァ↑)」


カチッ


「…………(しゅん↓)」


カチッ


「…………(パァァ↑)」


龍の目を光らせると嬉しそうにして、消すと悲しそうになるウィリアの反応がすごく可愛すぎた。


いちいち反応が可愛すぎるんだよなぁっ!!


私は嬉しそうにするウィリアに負けて、龍の光る目はそのままにしてウィリアの後を追った。


ウィリアのフードについている右耳が嬉しそうにピョンッと立った。



すっごい気に入ってるじゃん!!

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