第三十三話(最終話) 龍の娘とワガママお姫様ー新たな命ー
あれから時は流れ…
「祈織。体調は大丈夫?」
「うん。それに龍耶も聞いてみて?この子凄く元気なんだ」
祈織のお腹に耳を置き新たな命の心音を聞いた。そう…祈織は私との子を身篭ったのだ。
「あ、動いた…ふふっ♪ママに似て元気だね」
私はその新たな命に話しかけた。元気なところが本当に祈織そっくりだなぁ。私はそんな事思っていると明るい声が私と祈織の寝室に響いた。祈織のお腹に夢中になりすぎてノックした音が聞こえなかった
「王妃様は元気?」
「はい。バイス様も忙しいのにわざわざ来て下さりありがとうございます。」
「いや〜なにせ、祈織が龍耶の子を身篭ったと聞いてな。いても立ってもいられなくて」
「相変わらずですね」ニコッ
バイス様は本当に私達がお気に入りなんだな。でもありがたいな。聖霊魔族トップ3に入る実力を持ってる方に気に入ってもらえてるのだから
「バイス。お前は相変わらずだな。かっかっか」
「姉上も変わらないじゃないですか」
愛龍母さんも一緒に来てたらしい。この姉妹本当に仲が良いなぁ
「それで予定ではいつなのだ?」
「3月に出産予定です」
祈織は愛龍母さんの言葉に返事をした。愛龍母さんも気になってるらしい。初孫だもんね
そりゃ気になるよね
「ほぅ〜3月とな。龍耶も祈織も3月生まれだもんな。同じ日に別の場所で生まれた者同士が愛を誓い合い生涯を共にしたのはこの世界でお前達が初めてだしな」
「凄いよね。これは奇跡…いや運命に導かれた二人なんだよ。私はそんな二人が好きだぞ」
こんな運命な事ってあるのだろうか。否
これはもう決められていた事だろう。私と祈織の出逢いは。
「私、祈織に出逢えてこうしてずっと一緒にいられて本当に良かった。祈織に出逢えてなかったら真実の愛というものを大切なもの・大切な人の存在を知らずに生きていたと思う。ありがとう祈織。世界中の誰よりもキミを愛してる…」チュッ
私は感謝の気持ちと共に敬愛を込めて祈織の左薬指の指輪にキスを贈った。
「えへへ♪こちらこそありがとうだよ。龍耶に出逢えて本当に良かった。これからも私が貴女に愛を教えるから。この子と一緒にね♪」
祈織は愛しそうにお腹を擦りながら私に言葉を紡いだ。そんな愛しそうな表情したら抱きしめたくなっちゃうじゃないか
「さて私達はお暇しましょうか姉上」
「そうだな。龍耶に祈織よ。何かあれば私やシオン、コール、グラスそれとこやつ…バイスに遠慮なく言うのだぞ。祈織は子を身篭ってるし龍耶、お前は聖霊魔族の王であるのだから。これからはこの世を統べるのはお前自身だ」
「わかった。その時は遠慮なく力や知恵を貸してもらうよ。祈織やこれから生まれてくる子や聖霊魔族を守る為にも」
「うむ。流石我が娘だな」
「今は私が龍神でも龍神の娘なのは変わりないよ。愛龍母さん」
「そうだったな」ニコッ
「うん!」
「私もベリンダに顔を見せようかな。志帆と共に平和に暮らしてるだろうからな」
「志帆ならベリンダを尻に敷いてそうだよね」クスッ
「ありえそう。蛇女も大人しくなったし…そういえばケープとアルメリアはどうなったの?」
「あーあの二人は結婚したよ。国も一緒に鳴ったみたいだし」
「そっかぁ。良かった〜」
祈織は誰よりもあの二人に心配してたから一安心したみたいで笑顔を見せた。やっぱり祈織可愛いなぁ
「それじゃまた来るよ。龍耶、祈織。無理だけはしない様にね。いつでも飛んでくるから」
「ありがとうございます。バイス様」
「いいんだよ。君達は私の推しだからね」
「そうでしたね。バイス様、気をつけて。愛龍母さんも」
「うむ。ありがとうな龍耶よ。祈織は出産予定日まで安静にしてるのだぞ」
「はい。愛龍お義母様ありがとうございます」
私と祈織は愛龍母さんとバイス様は見送った。忙しいのにわざわざ顔を見せてに来るなんて…ふふっ。それほど楽しみなんだね
「祈織。私はこれからも一緒にいるからね。この命ある限り私はこれからもずっと…」
「うん。私も貴女と同じだよ龍耶」
「愛してるよ祈織」
「私も愛してるよ龍耶」
私と祈織は共に生きていく事を新たに誓い合い唇を重ねた…深く。どんなに辛い試練があるだろうが私達の愛・絆は切れない。
これは龍の娘とワガママお姫様の壮大な愛と絆の物語。そんな二人がこの世に生まれ共に生きた証。龍神の娘はお姫様と共にこれからもずっと愛を学んでいくのだろう。
龍の娘とワガママお姫様第一部・完
龍の娘とワガママお姫様【りゅうひめ】 銀龍(ぎんりゅう) @nao_1988
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