第二十七話 姫様と誕生石

「それでシャーロット様の戴冠式はいつなの?」


「1週間後らしいよ。わたしよりも先にシャーロットとリアンが結婚するとはね…姉として何とも言えない感じだわ」


「女王陛下になるんだもんね」


「そう言えば…龍耶のところはまだなの?」


「ん?」


「聖霊魔族王の儀式だよ」


「あーそれね。シャーロット様の戴冠式を先に済ませてからだって」


「ふーん…」


「なに?もしかして早く私と結婚したいの?祈織かわいいな〜♡」


「そうだけど?」


「えっ…?…左様ですか」


冗談交じりで祈織に言ったら祈織は当然の様に返した。私はその返しに動揺をしながらも更に返事をした。いやそこは恥じらいをですね…そんな祈織も大好きだけど


「祈織。最近自分の気持ち隠さなくなったよね」


「龍耶は意識しすぎてよそよそしい感じになったけどね。相変わらず女たらし要素は強いけど」


「そ、そんな事ないって/////やだなぁ〜 ははは」


「ふーん…。わたしもだけどさ」ボソッ


確かに最近の私は祈織の事大好きなの再認識したかのように意識しすぎてはいる。祈織の言う通りだ。祈織に対して独占欲も強くなってきてるし。そんな事考えてると同時に祈織は私に聞こえるか聞こえないかのトーンで何か呟いていた


「龍耶ってほんと単純だしおバカさんだし鈍感ドラゴンだよね」


「急に貶されたんですが…祈織さん」


「だ・か・ら〜〜〜」


私は祈織に訳もわからず貶された。本当に分からないよ祈織さん


「この格好見て何か言うことない?ほら!あるでしょ?ね??」


「いつも通り相変わらず可愛いよ」


「もうっ…そうだけどそうじゃない」


祈織は自分の格好見て何か言う事ないか聞いてきた。いつも通りに相変わらず可愛いなぁ〜と


「う〜ん……」


「ほらほら、いつもと違うところあるでしょ??」


気づいて気づいてって言わんばかりに祈織は私に詰め寄ってきた


「ち、近くないですか?姫様…//////」


「だって気づいてくれないんだもん。りゅうかのばかっ」ムスーッ


私は祈織のある一ヶ所に視線を向けた…。そこには…。


「祈織、それ……」


「やっと気づいてくれた〜!遅いよもうっ」


そう。そこにあったのは私が祈織の誕生日にあげたネックレスだった。2匹の龍がアクアマリン色の宝石を包む様なデザインした物だ。アクアマリンは私と祈織。3月生まれの誕生石でもある


「せっかくだから付けたの。どう?」


「綺麗だね。凄く似合ってる。祈織は色が白いからアクアマリン絶対に似合うと思ってたから」


「えへへ♪ありがとう♡」


私は迷うこと無く似合ってる事を祈織に告げたら祈織は嬉しそうな顔で微笑んだ。うん。やっぱり祈織は笑顔が似合うね。可愛すぎる


「でも凄いよね〜」


「何が?」


祈織はネックレスを見つめながら私に問いかけた。何のことだか私は分からなかった。そんな私を見た祈織がその事について言葉を紡ぐ


「わたしと龍耶の誕生日が一緒って凄いと思わない?だって好きな人同士同じ誕生日なんて奇跡に近いよ」


「確かに…。私と祈織は運命共同体で運命の赤い糸で結ばれてるのかな?なんてね♪」


私が冗談交じりで本心でもある言葉を伝えた途端、祈織は顔を真っ赤にして声が出てない口をパクパク動かしていた。そんな可愛く口パクパクしてるとその口塞ぐよ?いい?


「な…なななな///////」


「あれ?違うの??こんなに愛し合ってるのに??」


「違わないし!急に言われて動揺しただけ!それに龍耶って突然そういう事言うんだからほんとにもうっ/////」


「常に思ってるんだけどね」ニコッ


「もうっ!りゅうかのばかっ///////」


「やっぱり祈織可愛い。今すぐに結婚したいなぁ♡」


「うぅ…////////」


「素直になったんじゃなかったっけ??真っ赤にして本当に可愛いね祈織」


「う、うるさいっ…ばかっ///////」


その時だった…私と祈織がいい雰囲気でいるところにとある人物の声が聞こえた


「いい雰囲気のお二人さん。邪魔してごめんね?愛龍は何処にいるか知らない?グレイス帝国次期女王陛下の戴冠式があるから呼ばれたのだが…」


そう。その声の正体は…


私の祖母その1である初代聖霊魔族の王だった。

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