第一部最終章【聖霊魔族王と王妃とそして…】第二十六話 二人の思い出の場所

「この度は我が娘。シャーロットの生誕祭に来て頂き誠に感謝してる。そのシャーロットももう十五歳だ。第一王女も第二王女もあの調子で王位継承権順で第三王女であるシャーロットとなったんだけど…心配しないでも大丈夫よ。この子は王の素質が抜群に適正なんだから。本当よ?」


私は今、グレイス帝国のパーティー会場にいる。そう。シャーロット様のご生誕祭会場だ。コール様が乾杯の挨拶をしているのだが…最後素が出ちゃってるし女王陛下の威厳がですね


「ほら、コール。親バカなのはわかったから乾杯の挨拶しましょ。それでは皆様この度はシャーロットの生誕祭に来て頂きありがとうございます。我が娘シャーロットの15の誕生日に乾杯♪」


「「「「「「「乾杯ッ!!!!!」」」」」」」


コール様に代わりグラス様が乾杯の挨拶をした。流石婦妻。流石グラス様。そんな中祈織は先に飲んでいた。いや祈織さん、乾杯の挨拶の前に飲んでらっしゃるのはどうかと……しかもそれワインだよね?ま、いっか(この世界では15歳から成人なので問題はない)


「コールお母様の話長すぎるんだけど」


「ま、女王陛下という立場もあるしシャーロット様の記念すべき誕生日だからね」


「わたしの時そうだったけどとにかく話が長いのよ!もうっ」


祈織さん…もう酔ってます?確か酒弱かった気がする。そんなことを思いつつ私はワインが入ってるワイングラスに口をつけた。ほのかに香る匂いと白ぶどうの微かな甘さが私の口の中に広がり喉元に流れていく。うん。流石グレイス帝国1有名なワインを作ってる酒造メーカーなだけある。こんなに美味しいワインを飲めたし祈織と一緒に今度お礼にいこう。


「ねぇ〜〜りゅうかきいてるの〜〜???」


「聞いてるよ…ってもう酔ってるじゃない。ほら、バルコニーにある椅子に座りましょ?夜風にあたって酔いを覚まさないと」


「えーーー」


「””えーーー””じゃない。ほら」


「にゃっ!?///////」


祈織は一瞬驚いたが私は迷うことなく祈織をお姫様抱っこしてバルコニーに向かった。その時周囲から黄色い歓声が響いていた。

────────────────────────────


場所はバルコニー


「どう?酔いは覚めた?お姫様」ニコッ


「う、うん…一気に覚めたよ/////」


「そっか。それなら良かった♪私が一緒じゃなかったら危なかったし。あと祈織はお酒強くないんだからがぶがぶ飲んだらダメだよ?」


「だってーあのワイン凄く美味しかったんだも〜ん」


「そうだね。今度二人でお礼にいこうね♪」


「うん!毎日あのワイン飲みたいもん!」


「はぁ…これは私が見てないとダメだね」ナデナデ


私は心配そうに言いつつ祈織の髪を優しく撫でた。そんな姿を愛しそうに目を細めながら祈織は私の空いてる方の手を自分の頬に置いた。いや私動けない…でもこんな表情の祈織魅せられちゃ私も正常ではいられないよ


「ねえ、祈織」


「なぁに?りゅうか」


祈織は自分の頬に私の左手を置きつつ愛しそうな瞳、甘い声で私を見つめていた


「あの広場覚えてる?」


「あ…あの広場ここから見えるんだ」


私はバルコニーから見える噴水がある広場を指差した。あの広場は私と祈織が初めて会話をし私が祈織を助けた忘れもしないあの場所だ。


「そういえばあの時龍耶がわたしを助けてくれたんだよね。」


「うん。私がどうしてそこにいたか分かる?」


「ううん。急に助けられたからびっくりしたけど」


私はあの時の事を祈織に説明した。そりゃ知らない人に助けられたら驚くし聞きたいよね


「この位置からあの噴水広場見えるのはわかったでしょ?それで見てて明らかに祈織が危なさそうだったからここから飛び下り急いで噴水広場に向かったんだよ。あとから聞いたら近くにはリザが居たみたいだけどね」


「そうなんだ。確かあの時…後ろから走って来る人がいてぶつかりそうになって」


「私が瞬時に助けた感じかな。リザも助けに入ろうとしたんだけど私の方が速かったらしく私が助けるという流れになった。キミを初めて見た時にこの世のものとは思えないほどに綺麗な女性だと思ってさ。それにキミの可愛い顔にキズを付けたくない一心だったから」


「そうだったんだね。じゃ…あの言葉は本心からだったの??さっきも言ってた言葉…今言われても恥ずかしくて顔が熱いし///////」


「ふふっ…。そうだよ。あの言葉もあの行動も全て私の本心からなんだよ」


「龍耶って普段本心を隠してる様に見えるのに後から聞くと全て本心だったって事が多いしズルい」


「ごめんごめん。祈織はそんな私も?」


「大好きだし愛してる…//////」


「ありがとう♪私も大好きだし愛してるよ祈織。キスしてもいい?」


「もうっ…////言わなくても分かってるくせにいじわるぅ///////」


「ふふっ♡」チュッ


「んっ…///////」


私と祈織は誓い合う様に求め合う様に深く深くキスをした。思い出の場所が見える私のお気に入りのバルコニーで

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