第二十一話 クォーツ公国のお姫様

「祈織お姉様。龍耶様。シャーロット様。ケープ様。お久しぶりです。そして他の皆様、初めまして。クォーツ公国第一王女。アルメリア・クォーツと申します。よろしくお願いします。」(深々とお辞儀)


改めて…ごほん。アルメリア・クォーツ。彼女はグレイス帝国とカナベル王国の架け橋となるクォーツ公国の第一王女である。祈織、ケープ様の幼馴染でもあるが…ケープ様御本人は忘れていたという。何処かで聞いた話だって?それって誰だろうね?(知らないフリ)


「ケープ様、相変わらずお可愛いですね。うふふ…♪」


「アルメリア。あなたって結構グイグイいくのね。見かけによらず…」


「そうですか?祈織お姉様」


「えぇ」


祈織も人の事言えない様な気もするけど…おっと、それ言ったら祈織が怒っちゃうわね。怒った祈織も可愛いけど♪


「それでアルメリア様は何故ここへ?祈織に用事があるとか?」


「そうだ忘れる所だった!祈織お姉様に…ではなく用事があるのはケープ様なの」


「え?わたくし??」キョトン


「えぇ♪結婚前提にお付き合いをと」


「という事はカナベル王国とクォーツ公国の姫様同士で政略結婚…?」


「違う違う。確かに本国はカナベル王国と国を一つにするつもりだけどその前にお母様…我が国の女大公がね、気持ち伝えて来なさいって言ってくれたの。」


「アルメリアのお母様ってうちのお母様と似てるところあるよね」


「グラス様も相当だけどね」


「龍耶のお母…シオンお義母様も相当だけど?」


その言い方まだ早いですよ。そんなに私と結婚したいんだね祈織。可愛すぎるって


「そこのバカップルはほっといて…そのアルメリア様はケープ様に求婚しに来たと」


「そういう事です。貴女は確か、祈織お姉様のご友人の志帆様ですか?実物で見たの初めてです。そちらにいらっしゃる方はベリンダ様で…シャーロット様の近くにいるのはリアン様ですね」


「おー!!!ご名答〜♪流石です。アルメリア様」


「ありがとうございます。リアン様」(ニコッ)


志帆…バカップルって。とまぁそれは置いといて。アルメリア様がここに来た本当の意味を聡明な志帆が応えていた。その後私達が紹介し忘れていたのに瞬時に答えたアルメリア様である。アルメリア様って結構機転が利くお姫様かな?祈織もそうだけど。そんな祈織は鼻高々とこう言った…その後の志帆のツッコミも


「アルメリアは機転が利く子に育ったわね。わたしとしては鼻が高いわ」ドヤッ


「祈織が育てた訳じゃないでしょ。まったくあんたって子は」


「ね♪りゅうか♡」ウィンク


「うん!」


「うん!じゃないわよ龍耶。あんたホント祈織に弱すぎでしょ。このわんちゃん」


「犬じゃないし私、ドラゴンだし(ハーフだけど)」スンッ


「はいはい。その顔やめい」


「ふふふっ…祈織お姉様の周り方々は面白い人達ですね♪」


「でっしょ♪それでケープはアルメリアとの結婚…あれ?ケープ?放心状態になってる!?アルメリアにプロポーズ…いや告られて放心状態に??」


「まぁ!!大変ですわ!祈織お姉様!!」


「ここは…アルメリアからの目覚めのキスを!」


「いや祈織それは違う。とりあえず揺さぶるしか」


私は放心状態になったケープ様を目覚めさせる為にアルメリア様からのキスをと口走った祈織に軽いツッコミを入れた。目覚めのキスって。ロマンチックだけど今の状況でそれはトキメキに足りないというか。そして目を覚ませるのにケープ様の体を揺さぶった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る