第十九話 幼馴染と従姉妹

「龍耶、祈織。やっほー」


「志帆やっほ〜」


「志帆、相変わらず挨拶が軽いわね。リアン並に軽いわよ」


「龍耶が真面目なだけでしょ。ね、祈織」


「龍耶はみんなの前だけ真面目だから」


「ほほぅ…二人っきりだと龍耶さんは不真面目だと」(ニヤッ)


祈織の一言でニヤつきながら志帆は私を見ていた。いやまぁ…二人っきりでも真面目だと祈織には悪いしっていつまでニヤついてるのよ。私は話題を変えた


「はぁ…それで志帆。用事って?」


「龍耶の反応が面白くて忘れてたわ。その用事なんだけどね。白蛇様が私に会いたいって」


「白蛇様…あぁ、バイス様ね。それでなんでわたしまで?龍耶だけなら分かるけど」


「祈織は白蛇様に気に入られてるみたいだし。あの事案以来、気に入っちゃったみたいで。あと龍耶の嫁さんって事もあって」


「んなっ!?りりりりゅうかの嫁ッ!?バイス様から見たわたしって龍耶の嫁なのッ!?!?間違ってないけど…!!いやそうじゃなくて!!/////////////」


「祈織、幾分なく取り乱してるね〜♪あっははは」


ふと私は後ろから聞き慣れた声が聞こえると思い振り向いたらシャーロット様を連れたリアンが現れた


「リアン?それにシャーロット様」


「龍様お久しぶりです♪」


「龍耶やっほ〜♪元気にしてた??」


「シャーロット様、お久しぶりです。リアン、あんたも相変わらず軽いわね。元気にしてたというかなんていうか…」


「龍様。色々ありましたものね」


「まぁ色々とね…ははは」


「OK。理解したわ。これ以上詮索しないから」


「リアンのそういうところ嫌いじゃないよ」(ニコッ)


「ありがと♪それと後ろにいる嫉妬心メラメラのお姫様をどうにかして欲しいかなぁ〜」


「むぅぅーーーーーーー」メラメラ


えっ!?祈織さん!?共通の友達ですよね!?何故にそんな嫉妬心メラメラに燃え上がらせてるんですか!?!?


「...祈織?」


「…ふんっ!リアンと仲良くお話してれば?」


「えーー……」


『祈織祈織』チョイチョイ


「リアン、なに?」


「安心して?龍耶にはこれっぽっち恋愛感情ないから。ほら、あんたからも言ってあげなさいよ龍耶」


「そういう事だから。リアン含め祈織以外に興味無いし恋愛感情もないから!私は祈織だけだよ!!」


「本当に?嘘じゃない??」


「もちろん!私は祈織に一途だから!!」


「じゃあ証明して?」


「証明…?」


「だーかーらー…ハグなりキスなりしてってこと」


「みんなの前だけど…?」


「いいの!」


「わ、わかった!」


私はヤキモチ妬きのお姫様にハグをしようとしたその時だった……


「お姉様ぁぁぁ!!!」


あっ…ベリンダ。なんて間が悪いのよあなた。

ベリンダが現れたという事は祈織の方を恐る恐る見るとすこぶる機嫌悪い表情をしていらした…。ですよねー


「もうっ!!なんでこのタイミングで蛇女が来るのよ!!!」


「あーら、ごめん遊ばせ♪オーホッホッホ」


「うわぁ……バッドタイミング」


「えっ…誰あの子。凄く可愛くない??」


「はっ?志帆正気??憎き蛇女よ??」


「私は至って正常だけど?それに祈織にとっては憎きライバルだけど私には天使にしか見えない。なんですぐに紹介してくれなかったのよ〜」


なになに??志帆がついに運命の女性(ひと)に出会っちゃった感じ?しかも私の従姉妹のベリンダに。確かに黙ってれば可愛いけど…あ!祈織には内緒ね♪すぐにヤキモチ妬いちゃう可愛いお姫様だから(ナイショのポーズ)


「ちょっ…志帆!なんで蛇女の側に行ってるのよ!聞いてるの!?」


「初めまして。白蛇のお姫様。私、志帆・フルーラと申します。素敵なあなたに出逢えて心から光栄です」(眩しい笑顔)


「な、なななな!!///////」


「あの蛇女が真っ赤にしながら珍しく動揺してる。いいモノ見れたわ」


「もしかしたらこれ…ベリンダ恋に落ちるのも時間の問題かもね」


「ついに志帆に彼女が!!」


「なんて素晴らしいところに境遇したのでしょう。私、皆様に感謝致しますわ!」


「き、今日はこのぐらいにしといてあげるわ!それと…えっと青髪の人!志帆でしたわよ…ね?私の名前はベリンダ!ベリンダ・ヒメガミよ!!名前だけでも覚えといてよね!///////」


「わかった。覚えておくね。また逢えるといいな♪」


「うっ……あ、あなたが逢いたいならいつでも来てあげる…から///////」


これ完全にベリンダも恋に落ちた感じだね。私の従姉妹ながらチョロすぎるのでは?それとも志帆かしら?まぁいいわ。祈織が機嫌良くなれば…ってめちゃくちゃご満悦な笑顔ですね祈織さん


「志帆!ベリンダ!心から祝福するわ!!(よし!これで龍耶はわたしだけのものよ!てか最初っからわたしだけのものだし!!)」


「い、いやまだそうと決まったわけでは…/////」


「私はベリンダがいいなぁ〜♪」


「し、志帆様……//////」


いきなりの急展開で私、ビックリなんですけど??ベリンダがしおらしくなってるの久々に見たしこれはこれでいいかな。祈織と同じ私も二人を応援するからね!これから二人で愛を育んでいってね!!



みんながきゃあきゃあ騒いてる中、一人ぽつんとソファに腰掛けてる狐耳のお姫様がいた。そう、彼女の名前はケープ・カナベルだ。

その彼女にも近々運命の女性(ひと)が現れるとかなんとか…それはまた後ほどに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る