第十五話 龍耶暴走事案後と眠り姫・祈織〖side 龍耶〗
「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。不甲斐ない私が至らぬ事をしてしまいました。祈織がいなければ私は取り返しのつかない事をして…」
「龍耶、もういいから。ね?貴女は利用されたに過ぎないし」
「ですがコール様…!私はっ…」
「龍耶よ。コールがここまで言っておる。コールの顔を立ててやるものだぞ?これでも女王陛下だ。陛下がここまで言ってるのだしな」
「愛龍母さん…」
私は先の暴走事案で王室に呼ばれていた。それもそうだ。当事者なのだから
「それで…コール様。祈織…姫様は」
「それなんだけどね…龍耶の魔力が強すぎるのかまだ目を覚まさないの。あの娘も聖霊魔族と人間のハーフなんだけど龍耶みたいに聖霊魔族の血が強い訳ではないの」
「そう…。祈織…私が魔力の暴走なんかしなければ……」
「そう悔やむな龍耶よ。死んだ訳ではない。姫様…祈織は今、絶大な魔力と戦っておる。お前が信じなくてどうする。」
「でもっ!祈織は私のせいで…!!」
自分の魔力のせいで大切な人…愛する女性(ひと)を……やり切れない感情と自分の愚かさに絶句し飛び出した。
「…龍耶ッ!!」
「彼奴…自分をまた思い込まなければいいのだが」
「りゅうの事なら私にお任せください。愛龍様。コール様」
「シオン…ごめんね」
「シオンなら大丈夫だろう…私達は無理だったがシオンなら龍耶の気持ちも祈織の気持ちも分かるだろうからな。任せたぞシオン」
「えぇ。龍耶の母親として」ニコッ
お城内で祈織の部屋に最も近い中庭
私は逃げ出してしまった。これじゃ前と変わらないじゃないか…また祈織を巻き込み救えずに…。そう自分を自分で責めてる時私を呼ぶ優しい声が聞こえた…祈織?いや違うこの優しくもしっかりと芯がある声。シオン母さんだ
「龍耶?少しお話よろしいかしら??」
「シオン母さん…うん。いいよ」
「龍耶。何か悩んでるよね?お母さんにお話聞かせて欲しいな…龍耶が大丈夫なら」
「シオン母さん流石だね…敵わないや」
「ふふっ♪これでも貴女のお母さんだからね♪」
シオン母さん可愛すぎるって。これじゃ愛龍母さんが惚れたのも分かるよ。私も祈織に惚れたのは曇りなき眩しい笑顔だったなぁ…って感傷に浸ってる場合じゃない。私はシオン母さんに気持ちを打ち明けた
「あのね…今回の件で私が不甲斐ないばかりに大切な人…祈織を巻き込み目を覚まさない状態にしてしまった自分が許せなくて…このまま祈織が目を覚まさなかったらどうしようってなって…私は祈織を失いたくない。シオン母さん…私、どうしたら…うぅっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁ」
私はシオン母さんに気持ちを打ち明けて抑えてた感情が溢れ出し泣いてしまった。
「…そうだったのね龍耶。つらかったよね?大丈夫だから…祈織は強い子よ?貴女がよく知ってるでしょ?祈織は絶対に大丈夫だし目を覚ますわ。それには一つ条件があるの。」
「…ぐすんっ…。じ、条件?」
「えぇ。これは貴女にしか出来ない事なの…無理にとは言わないわ。ただ、この条件を満たすと自然に目覚めるよりも早いの」
「祈織が目を覚ますなら私は何だってやるわ。例えこの身が滅びても」
「ふふっ…そんな大掛かりの事ではないわ。そ・れ・は…ね?」
私はシオン母さんから耳打ちで聞かされた話を聞いてびっくりし顔を真っ赤にした。いやだって…私と祈織、まだそういう関係じゃないし////いずれはと…ってそうじゃない!てか今回私が原因だしとにかく眠り姫を覚ますことからよ!祈織、待っててね。あなたの王子様が今行くから…私、女だから王女様の方がいいかしら?ま、そんな事はいいわ。祈織が私を待ってるんだから
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