第十二話 破滅への足音

「祈織…寝ちゃった?さっきはごめんね。従姉妹があなたに迷惑かけちゃって…」


私はリザ(祈織専属のメイド)に理由を言って祈織の部屋に入れてもらい二人っきりにしてもらった。泣いてる祈織が心配だったから


「あなたを泣かせないって心に誓ってたのに泣かせてしまった…私は愚かね。あなたが泣く姿はもう二度と見たくないのに」


泣き疲れて寝ている祈織に独り言を言う様に私は1人で話してた。あぁ…祈織、目が腫れてるじゃない。綺麗な顔が…


「…りゅう…か…ごめん…なさい……」


祈織は私の夢を見ているのか寝言を呟いた。一筋の雫を流しながら


「祈織、あなたは悪くないの。私が不甲斐ないばかりにあなたを傷つけた。このままあなたと一緒にいていいのかさえ分からないの…だからあなたを泣かせた自分自身が許せない。あなたが幸せなら私は嬉しいわ。でもあなたが悲しむ世界なら…」


私はこの世界を壊す。例えこの身が滅びても私はあなたを悲しませるこの世界を……


「祈織、あなたに出逢えて良かった。この世界が壊れてもまた次の来世でもあなたに出逢いたい…大好きよ祈織。」


私は祈織の頬にキスをし祈織の部屋を後にした。この後、祈織が目を覚ましたのは言うまでもない。そしてひたひたと破滅への足音が…近づいている

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