第八話 二人の妹君

ここはとあるお城の一室


「祈織お姉様!それに龍様。お久しぶりです。」


「シャーロット姫。お久しぶりです。相変わらずお元気そうですね。ところで…メア姫は?」


「龍。メアならあそこにいるわよ。ほら」


私は訳あってお城に来ている。そのついでにと祈織が久々に妹達に会ってみたら?なんてこと言ってきたので今現在、シャーロット姫とメア姫に会っている。シャーロット姫には挨拶したんだけどメア姫が何故か隠れている。なんでだろ…。私、なにかしちゃったのかしら


「メア、龍にご挨拶なさいな」


「り、龍耶さま…お久しぶりです。相変わらずお素敵なお姿で//////////」モジモジ


「ありがとうございます。メア姫も相変わらずお可愛いですね」(ニコッ)


「はぅ…/////」


「龍…。むぅーーーー」


あれ?祈織、なんで怒ってるの??


「龍様って無自覚女たらしで祈織お姉様大変ですわね。お姉様!私、祈織お姉様と龍様を応援致しますわっ!この命に代えても!」


「シャーロット…ぐすんっ」


「祈織お姉様!?なぜ泣いてますの!?龍様!!祈織お姉様が…!!」


なんか向こうで騒がしいと思いながら見てると何故か祈織が泣いていた。どうしたの!?なんで泣いてるの??

あぁ…私の可愛いお姫様の瞳から雫が流れている


「祈織?どうしたの??どこか痛い??」ナデナデ


「ううん…なんかね、龍がね…わたしから離れていっちゃいそうと思ったらね急に涙が出てきて悲しくなっちゃったの」


「安心して。わたしはどんな事があっても祈織から絶対に離れないから」ぎゅっ


あぁ…そういう事か。祈織って普段は破天荒でおてんばなんだけど結構繊細なのよね。大切な人に自分が必要とされてないと勝手に思い込んじゃう悪い癖があるんだよね。愛しいなもう…


「龍様?祈織お姉様と二人っきりにしましょうか?」


「ありがとうございます。シャーロット姫」


「いいえ。それに祈織お姉様は結構繊細な人ですし気持ち的に今は大変なのかもですので。祈織お姉様を救えるのは龍様だけですから…。それと…あ、この話は後ほど」


「ん?」


「今、王家で問題になってる話ですので小耳に挟むぐらいにはして欲しいですの。」


「なるほどね。その話は祈織の気持ちが落ち着いてから話そう。愛龍母さん達も呼んだ方が良さそうだしね」


「その事なら今、お父様とお母様が愛龍様とシオン様にお話なさってるみたいなので」


「母さん達も来てるんだね。分かった」


「という事なのでお姉様が落ち着いたらまた改めてお話します。それでは後ほど」


なんだか胸騒ぎがする…未来予知が出来る祈織が急に泣き出したのもなにか関係してるのかも。ヤキモチだけで普段こんなに泣かないからきっと嫌な未来を見てしまったんじゃないかなと。祈織が言ってた言葉も気になるし。私が祈織から離れていく…そんなまさかね?



場所は謁見の間


「という事なのだが愛龍。貴様は心当たりあるか?」


「ふむ。私の推測だが…我が妹の娘が裏で動いてる可能性があるな。妹自体は娘の行動を把握出来てないし、もしくは干渉できない様にされているのかも知れぬ」


「白蛇様でも干渉できないほどの力を持っている子なんですね。うちの龍耶の従姉妹とは言えやはり血筋は争えないって事ですものね」


「そう言えば…リュウも今城に来てるんでしたわね。お呼びになります?コール様、愛龍様。」


「げっ…彼奴も来ておるのか」


「うむぅ…。この事は祈織様や妹姫君二人は知っておるのだろ?大人だらけの所にいるよりは姫様達が龍耶に話した方が良さそうだろう。シオンはどう思う?」


「そうですね。私も愛龍様の意見と同じです。いずれ姫様達から知る事になるのなら初めっから姫様達から聞いた方が龍耶的にも安心かと思います」


「うむ。””また””同じ過ちにならない様にしなくてはな」


「えぇ。あの惨劇はもう繰り返さない様にと」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





『へ〜なんだか面白くなってきちゃった♪お姉様に早く会いたいなぁ♡』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る