第五話 龍神の娘

「くっ...!!」


「ふっ...所詮貴様は龍神の子供に過ぎぬ。この私に立ち向かったのは褒めてやろう。だが私を倒す事は不可能に近い」


「そ...そんな事分からないじゃない。陛下って言う割には弱い。愛龍母さんと比べたら天と地の差があるの気づいてないんですね」


「ナメた口を!!調子こきおってッ!貴様!!余程死にたいらしいなァァァ!!!」


私は陛下に刃向かうようにそして相手の攻撃形成を見る為に煽った。攻撃形成を見る以前に陛下…コール様が大嫌いなので刃向かったのも煽ったのも本心からだ。姫様を実の娘を装飾品扱いする親はどんなに偉くてもクズだしカスだ


「陛下、無闇矢鱈に攻撃しても当たらないの分からないんですか?それでもこの国を治める王なんですか?笑えますね。くくっ」


「龍耶…貴様ァ!誰にモノを言ってる!!」


「誰にって陛下にですが?ついにボケました?」ニコニコ


〖これは…確実に龍耶のやつ。キレておるな…。あそこまで相手を煽る時は相当キレておる。シオンにそっくりだな真に。コールに少し喝を入れようと思って龍耶を連れて来たのが…まさかこうなるとは〗


「愛龍ッ!!こやつの教育はどうなっておる!!生意気すぎるぞ!!!」


陛下があまりにも生意気すぎる私を見て、愛龍母さんに問い質した。そんな愛龍母さんはというと…


「ふふっ…ははは。あのコール・フォン・グレイスが16の生娘に煽られる姿は滑稽だのぅ」


愛龍母さんは楽しんでいた。そうだと思ってましたよ

そんな私は警告として魔法弾を放った


「陛下?これ以上、姫様を苦しめるのであれば陛下とて私は少々全力で攻撃致しますが…どうします?正直私は今のあなたより強い自信ありますが?」


「ふんっ!たわけ。16の生娘が私よりも強いだと?そんな世迷言を。ならば私に攻撃してみよ。貴様の攻撃など易々と躱してくれようぞ」


OK。これは陛下自ら承諾したって事でいいよね?止めるなら今だよ。愛龍母さんが陛下を哀れな目で見ていた。そりゃそうだ。愛龍母さんは私の実力兼魔力の高さを知っている。少し覚醒させようかな。実際に今の陛下は弱い。魔族とは言え凄まじい魔力を感じられない。堕ちぶれたのはどちらなのか。陛下、素直になりましょ?グラス様を心から愛しすぎてしまって魔族としての力が堕ちてしまったのでしょ?それに本当は姫様…祈織の事が大切なんですよね?

私は最初っから分かっていた。魔族だった陛下はグラス様と結婚しグラス様を心から愛し祈織を大切に思うあまりに自分が悪役になろうと。心優しき魔族の陛下。ですが…祈織を装飾品扱いしグラス様に攻撃したの絶対に許せないし許しちゃいけない。という事でコール様。この姫神龍耶、ちょい本気で参ります

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